食事は偉大である

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ここは首都マプトから陸路で5日もかかる、ニアサ州の州都リシンガ。私の仕事は、リシンガの農業研究所所員のITスキル向上促進だ。活動先は街から離れており、昼食時家に戻ることも外食もできない。職場ではみんな外で火をおこして昼食を作っている。

食事の役割分担について同僚に尋ねると、「空腹になった人がみんなの分も作るんだよ」という回答だった。その同僚は、当たり前のことをなぜ聞くんだ?というような表情をしていた。こうした食事を通じた交流が、普段接点がない同僚との絆を深めている気がした。もし自分が日本で同僚の分まで食事を作るとしたら、「なぜ自分ばかり」と思うかもしれない。リシンガでは助け合い精神が強く、食事を大切にしている人が多い。

もう一つ、食事の話題がある。ある日、私は会議で首都に行くため空港に行ったが、予定の飛行機がなかなか来ない。情報もないまま待ちぼうけ状態に遭った。「おなかがすいたなあ」と思っていたら、航空会社から昼食に関するアナウンスが流れた。

アナウンスに従い、バスで揺られ着いた先は、なんと街中のバイキングレストランだった。思いがけないガッツリなランチとなった。モザンビーク人たちは遅延を気にする様子もなく、食事を楽しんでいた。そんな様子を見て、なんだか笑いが込み上げた。

飛行機遅延の経験は、モザンビークに来るまでに何度もあった。軽食が配られることもあったが、遠い街中にわざわざ戻って食べることは初経験。しかし、腹が満たされると先ほどまでイライラしていた気持ちが少し落ち着いた。食事は偉大である。

その後空港へ戻り、9時間以上が過ぎた頃。「本日飛行機は来ません。マプト行きは欠航です」。乗客たちは爆笑している。暴動が起きてもよさそうなものだが、何も起きなかった。文句も言わず、円滑にホテルへ移動していた。みんな、ホテルでの食事を思い浮かべたのだろうか。衝撃を受けたと同時に、感動した出来事でもあった。私はイライラから一転し、ホテルと食事にありつけることに、心の中でガッツポーズをした。



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各国における取り組み モザンビーク

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標高が高いので、空が近く雲が近いリシンガ

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酪農も盛ん。名物のヨーグルト

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昼食を作る同僚。伝統の主食「シマ」と付け合わせソース

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飛行機遅延でも冷静に手続きを続ける乗客たち


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