門外漢が考えた「コーヒー研修」−前進する東アフリカの小国ルワンダ−

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

ルワンダはどんな国?

日本では「ホテル・ルワンダ」「ルワンダの涙」などの映画の影響もあり、条件反射的にまず20年前の「虐殺」を想起してしまうだろう。しかし現在のルワンダは、「アフリカの奇跡」と呼ばれるほど、急速な発展を遂げている。その主要因には、汚職を徹底的に廃して成果評価制度を導入した、トップダウンで効率的で統制のとれた政府機関の存在がある。

筆者の配属先である「ルワンダ協同組合機構(RCA)」もそうした政府機関の一つで、「組合」を通した地域単位での経済的・社会的発展や、地域社会の成熟を推進するために設立された。「組合」とは東アフリカ地域独自の組織単位で、平等な権利を持つ近隣住民が農業や事業などから得られる利益を平等に分け合い、個人ではなく地域で豊かになっていくことを目的としている。

RCAは組合の登録業務、各種研修を通した組合員の能力開発や、組合の健全運営のために助言、監査などを行う。また、すべての国民が金融サービスを利用しやすいように、日本の信用金庫に相当する「金融協同組合(SACCO)」を各地に416行設立し、その運営管理も行っている。SACCOの運営チームに属する筆者には、SACCOの発展のための各種研修の実施、新たな金融商品の開発、業務の改善などが求められている。

とはいえ、筆者にはマーケティングやプロモーション活動に関する経験はあるものの、金融の専門知識はほとんどない。現地語キニアルワンダ語もいまだ勉強中のため、毎日配属先に通っては同僚から教えを請う日々。それでも門外漢ならではのアイデアがあるはずと模索していたところ、JICAの青年海外協力隊員向け研修で、現地コーヒー農家に栽培技術支援を実施する企業のスタッフと知り合った。彼らと協力して何かできるのではないかとアイデアを練り、思いついたのが「コーヒー研修」だった。

コーヒー研修は、コーヒー農家への貸付促進を目的とする研修を、SACCOの貸出審査官を対象に実施するというもの。コーヒーはルワンダの輸出農作物第1位であり、コーヒー農家の将来性は高い。数十ページに及ぶ実施計画書を携え、配属先RCAのトップに直談判した。それが功を奏し、30人の貸出審査官をルワンダ各地から集めて、3日間の合宿研修を行うことができた。

この研修の成果は本来、コーヒー農家への貸出額の増加で測るものだが、現状では作物ごとの貸出額の集計がないため難しい。それでも研修に対する一定の満足度や今後の貸出増への意欲が、研修後のアンケートで確認できた。

現在、週末に数人のルワンダ人同僚と自主的に勉強会を開催している。各自の専門知識やアイデアを共有し、新たな提案につなげようというものだ。こうした「提案型」の業務や勉強会などを通して、政府や上司の指示に従うだけではなく、自ら考え、自ら実行する習慣が一人でも多くのルワンダ人に根付けば幸いである。



(関連リンク)

ルワンダ協同組合機構(Rwanda Cooperative Agency)新しいウインドウで開きます

【写真】

初めて目にするコーヒー焙煎機やミルに研修参加者は興味津々

【写真】

配属先であるRCA

【写真】

SACCO営業所の一例。全国に416行ある


【写真】

SACCOの窓口。数年以内にPCを導入の予定

【写真】

ルワンダ各地で栽培されるコーヒー(アラビカ種ブルボン)

【写真】

コーヒー栽培に適したルワンダの高地。朝晩の気温差が激しい


Twitter Facebook はてなブックマーク メール