セネガルのコメ自給を目指して!

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セネガルはコメを主食としており、一人当たりの年間消費量は約95キログラムにもなる。日本の約56キログラムと比べると、セネガル人のコメ嗜好(しこう)の強さがよくわかる。もともとはヒエやアワなどの雑穀類が主食なのだが、味の良さや調理の簡単さなどから、1970年代後半以降、コメの消費が拡大した。

セネガル料理でコメは、肉や魚と野菜を煮込んだソースをかけたり、魚と野菜のソースで炊き込んだりして食べる。最近では、パエリアやチャーハンなどが人気で、庶民的なレストランでも日替わりメニューで提供されるなど、コメを使った料理はますます多様化している。

しかし、コメの高い需要に対して、その自給率は3割程度しかない。不足分はインドやタイなどアジアからの輸入に依存している。そこで政府は、国の食料安全保障を強化するために、コメの自給達成を目標とした「国家コメ自給計画」を策定し、稲の栽培面積拡大や生産性向上などに精力的に挑んでいる。

JICAはこれまで、灌漑(かんがい)施設の整備と改修、稲栽培から収穫後処理・流通にかけての技術支援、国全体の稲作開発戦略の提言、国家コメ自給計画の策定支援など、施設面、技術面、政策面からセネガルのコメの生産体制強化を支援してきた。そのような中、私は農業技術アドバイザーとして、農業・農村施設省で「国家コメ自給計画」の実施支援や農業調査を通じた各種提言などを行っている。

最近は「国家コメ自給計画」の実施を担当する調整組織の設立に奔走した。同僚の国家コメ自給計画コーディネーターと共に、組織の概要と予算案を検討し、大臣や省幹部らに提案した。幸いにも調整組織の予算化が認められそうなので、今後は、予算が確実に執行されるようフォローするとともに、調整組織立ち上げへの支援に力を入れていきたい。

「雨水を利用した陸稲栽培の現状」をテーマにした調査では、収穫したもみが手元にあるにもかかわらず、手作業による精米の手間と重労働が原因で作業が追い付かず、その日に食べるコメを商店で購入する日があることを複数の生産者から聞いた。そこで、国家コメ自給計画コーディネーターや農業局長と共に、脱穀機や精米機などの調達を支援する補助金事業を計画した。単に機械の調達を支援するだけではなく、操作方法や維持管理方法を教える技術支援を組み合わせ、持続的に機械が利用される仕組みとした。

中央省庁から現場まで、幅広い関係者とのコミュニケーションを通じて活動を展開できる点が、アドバイザー業務の醍醐味(だいごみ)だろう。今後も、現場と中央省庁とをつなぎながら、セネガルのコメの自給率の向上に貢献していきたい。

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生産者からの聞き取りを行う筆者(中央)

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「マフェ」と呼ばれる肉と野菜を落花生ソースで煮込んだ料理

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稲種子の生産計画会議


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低湿地を利用した乾期の稲栽培

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