頼りになる人々−リソースパーソンの存在−

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1987年2月に初めてセネガルの地を踏んで以来、縁があって、短期、長期合わせて幾度となくこの地を訪れている。それでも、この国について、人々について多くのことを知らないと思う時がある。なぜあの村での活動はうまくいかないのだろう。なぜあの人と言い合いになってしまったのだろう。そんなふうに思い悩むことは少なくない。

そんな時に私が頼りにするのは、地元の人間、事情に詳しい「リソースパーソン」である。プロジェクト関係者との世間話や打ち合わせの中で、それとなく見つかることが多い。リソースパーソンが一人でもいれば、プロジェクトもスムーズに進むことが多い。なにせ私には分からないことが山ほどあるのだから。プロジェクトを一緒に実施する政府の機関にそんな人物がいればラッキーだが、なかなかそうはいかない。それが現実である。

今、私が従事している「タンバクンダ、ケドゥグ、マタム州村落衛生改善プロジェクト」では、諸事情が重なり、活動が停滞している村がある。2014年9月、その村の事情、課題の中心にいる人物などについて、示唆深い助言をくれたリソースパーソンに巡り合った。セネガル東部のタンバクンダ州バケル県に駐在する、州開発局バケル支所長のママドゥ・ファデ氏だ。プロジェクト開始から2年。こんな近くに解決に導いてくれそうな人物がいるとは気付かなかった。これを機に状況改善に結び付けたい。

村落部での活動には、その社会文化的背景を理解することが大いに役立つ。セネガルの主要民族の一つウォロフ族の村には、性や世代別、社会的地位などに従い五つのグループが伝統的に存在し、それぞれの役割が決まっている。政の中心にある長老グループの会合に世帯主グループも参加し意見を述べることができる。そんな民主的な仕組みも存在する。また、農・牧畜・漁業とマルチな生業を営むセレール族の村では、村落内で起こった犯罪を自分たちで「裁く」仕組みがある。場所は森の中だ。これらは日本のNGOが実施したスタディーツアーや調査を通して学んだことだ。

村人たちの口から村落社会についての言葉を引き出す役目を担ってくれたのは、まもなく20年のつきあいになるママドゥ・ンジャイ氏だ。大学やNGOに招かれて何度も訪日をしているンジャイ氏は、現在、アンテルモンドという基礎保健やHIV/AIDS対策などを通じてコミュニティー開発活動を行うNGOの代表を務めている。そろそろ引退したいと言いながらも頼まれれば断れないンジャイ氏には、これからもセネガルにおけるリソースパーソンとして、大いに学ばせてもらおうと思っている。



(関連リンク)

タンバクンダ、ケドゥグ、マタム州 村落衛生改善プロジェクト

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タンバクンダ州開発局バケル支局長のファデ氏

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アンテルモンド代表を務めるンジャイ氏

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ンジャイ氏に紹介で「稲作再編開発調査」の対象となった地域(ダカール近郊)


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村人からの聞き取りも学びの機会だ(ケドゥグ州)

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