国際協力を通じた特色ある地域づくり

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

「宮城県丸森町」。ここは宮城県と福島県の県境にある、人口1万4千弱の小さな町です。いわゆる中山間地域(平野の外縁部から山間地にかかる傾斜の多い地域)であり、高齢化、過疎化が進んでいます。

しかし、Iターン者の受け入れでは先進的な取り組みが行われ、実際に多くのIターン者がさまざまな地域から移住しており、地域には活力がありました。

ところが東日本大震災に端を発した原発事故による放射線の被害と風評被害によって、農産物生産の販売が滞ったり、地域の評判にも影響が出たりして、地域社会の活力が失われていきました。

そういった状況に危機感を抱いた私の住んでいる丸森町耕野地区の住民は、住民自治組織の耕野振興会を中心に、今後どうやって地域を盛り上げていくかについて話し合いを重ねました。その過程で「参加者が楽しめて、金も人も知名度もない自分たちにでもできて、他のどこでもやっていないこと」そういった取り組みをしたいと思うようになりました。

それが見つかるきっかけとなったのは、たまたま耕野地区と縁のある方が、ザンビアにJICA技術協力プロジェクトの専門家として赴任し、そのプロジェクトからザンビア農業省の研修生と交流ができる機会をいただけたことです。

最初は、ザンビアからの研修生を地域に迎え入れることに、若干の不安がありましたが、実際に研修生と交流することで不安は解消されていきました。さらに、研修生と交流を深めるのは楽しく、しかも自分たちは気が付いていない、町の人々や地域の良さに気づくようになりました。

例えば、丸森町のような中山間地域での農業は、農作物の大量生産に不向きなため評価され難いです。しかし研修生は、そういった中山間地域での創意工夫を生かした農業技術や生活様式を、高く評価してくれました。

この交流を通じて、「地域に根付いた文化やその継承者である自分たちが持っている技術・知識・経験」といった、かけがえのないものがあることに気付かされました。

現在はそれを生かして、丸森町役場、JICA東北・JICAザンビア事務所の協力を得ながら、耕野振興会が実施団体となって、草の根技術協力事業をザンビア国ルサカ州で実施しています。

この事業は、丸森町の在来技術を活用して、現地の小規模農家の食料の安定利用の強化を図り、貧困の解消に貢献するものです。以来、私はプロジェクトマネージャーとして、定期的にザンビアを訪問するとともに、生業としている養蜂業の知識と経験を生かして、養蜂の技術指導も行っています。

この事業を通じてザンビアと丸森でお互いにさまざまな刺激を受けて地域社会の活性化を図る、そんなグローカルな特色ある地域づくりに私たちはザンビアの人達とともに取り組んでいます。



(関連リンク)

丸森町の在来技術を活用した小規模農家の食糧の安定利用強化プロジェクト(草の根技術協力事業)

各国における取り組み  ザンビア

宮城県丸森町とザンビアの交流(JICA東北)

宮城県 丸森町~丸森町では、ザンビア共和国との草の根技術協力事業に取り組んでいます!~(外部リンク)新しいウインドウで開きます

【写真】

稲刈り作業(丸森町にて2016年10月)

【写真】

修了証書授与(丸森町役場にて2016年10月)

【写真】

食品加工作業(丸森町にて2016年9月)


【写真】

農村部の住民による歓迎会(ルサカ州カフエ郡にて2016年12月)

【写真】

圃場視察(ルサカ州チランガ郡にて2016年12月)

【写真】

養蜂指導(ルサカ州カフエ郡にて2016年12月)


Twitter Facebook はてなブックマーク メール