クリチバの休日—「スラックライン」で気さくな人々と触れ合う—

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クリチバ市はサンパウロから南西400キロほど(飛行機で1時間弱)のところにあります。ブラジル南部パラナ州の州都で、面積は約420平方キロメートル、人口は2013年現在の推計で約185万人(注)です。南緯を北緯に変えれば、台湾や沖縄とほぼ同緯度ですが、標高約900メートルの高原のため、夏の暑さも冬の寒さも日本に比べて、それほど極端ではなく、一年を通じて比較的快適に過ごせます。

クリチバ市は計画的な都市政策・環境政策を持つ都市として、以前から一部の都市計画や環境分野の専門家の間では知られていました。1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットの直前には、同市で国際環境都市会議が開かれました。それをきっかけにクリチバ市は、一躍その名を世界に知られるようになりました。

コロニアル調の歴史的建造物とモダンな建物が混在し、広い歩道が整備された街並み、ユニークな廃棄物回収システムや公共交通システム——。市民の生活の快適さを追求したクリチバ市の都市計画は、模範的事例として国内外から高い注目を浴びてきました。

中でも特筆すべきは、市内に数多く存在する公園です。クリチバ市の一人当たりの緑地面積は55平方メートルほどで、東京都の約10倍です。1970年代初頭、クリチバ市の人口がまだ60万人程度だったころの緑地は、一人当たり0.6平方メートルしかありませんでした。その後、浸水防止を目的として、湿地帯や河川の氾濫原(はんらんげん)に雨水調整池を造り、その周囲を自然公園として整備してきました。整備された公園は、市域を取り巻くグリーンベルト(緑化帯)として機能するだけでなく、市民に憩いやレジャーの場を提供しています。

JICAプロジェクトの専門家チームが滞在するホテルの徒歩圏内にも、クリチバ市最大規模のバリグイ公園があります。大きな調整池の周囲には芝生が広がっています。自転車・スケボー・ローラースケート用、ジョギング用、ウォーキング用の3レーンに分かれているため、皆思い思いのペースで散歩やジョギングを楽しむことができます。広く空いたスペースでは、たこ揚げをして遊ぶ人もいれば、ミニサッカーに興じるグループもいます。

今、流行しているのがスラックラインという綱渡り遊びです。達人になると綱の上をトランポリンのようにして跳ぶことができるようになるそうですが、慣れないと立つだけでも難しいです。私も購入して、休日の公園で楽しんでいます。練習していると、老若男女を問わず、「私にもやらせてくれ」と次々とチャレンジャーが現れます。家族連れも多いのですが、子どもそっちのけで楽しむ親が多いのに驚きます。

土地が狭く規制の多い日本の都会の公園では、このような遊びができる所は非常に限られていますが、こちらではそんな心配は無用です。クリチバの魅力は数多くありますが、公園施設が充実していることに加え、公園でのひと時を心から楽しむ人々と気さくに触れ合えることが、一番の魅力だと感じます。

(注)ブラジル地理統計院(IBGE:Instituto Brasileiro de Geografia e Estatística)調べ

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バリグイ公園の水辺

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公園で憩う人々

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ウォーキングやジョギングを楽しむ人々


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次々と現れるスラックラインのチャレンジャーたち

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子どもそっちのけで楽しむ父親

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「私もやりたい」とぐずる子どもの番がやっと回ってきた


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