コロンビアで芽吹く日本の生産管理方式

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私は生産管理のスペシャリストとして、コロンビア第2の都市メデジンで活動しています。この国では、人口の約1割が繊維・縫製産業に従事し、その現場の約4割がメデジンに集中しています。私は日本式の生産管理技術を伝えるため、メデジンにある国立職業訓練庁(SENA)の縫製訓練センターで活動しています。

日本の生産現場を経験した私は、メキシコとチリで同職種のボランティア活動を行い、その集大成としてコロンビアに来ました。コロンビアでの活動目標は「改善を自主的に継続できる組織をつくること」です。日本の生産方式については、管理職はほぼ十分な知識を持っていますが、現場では管理技術を実践できていない状態でした。そこで、最初に自分たちで現場をパトロールしてもらい、日本流の「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)(5S)」を確認し、その後、改善するためのサークルを立ち上げ、毎月その進捗状況に関する会議を開催するなどして進めていきました。

すると、これまで私が経験したことがないスピードで改善されていくことに驚きました。コロンビア人は、とても真面目で時間や約束を守り、改善にも前向きに取り組みます。100人ほどの訓練所でラジオ体操をやると、すぐにSENAの広報が来てナレーション付きのビデオが作られ、発信されました。安全対策としての毎朝のラジオ体操は、約1年で延べ1万5000人以上が参加し、最近は自主的に夕刻にも実施しています。また、安全確認の指差し呼称も取り入れました。彼らは楽しんで異文化を吸収しています。

私の改善教育はほぼ1年間で終わってしまい、現在はアドバイザーの役割に徹して現場の自主的な活動を見守っています。並行して企業の訪問改善をしていますが、非常に意欲的な企業が多いと感じます。ただ、ほかの中南米の国と同様、集団で考えるという企業文化がありませんので、受け入れやすいように中南米仕様にした生産管理法によって指導しており、各組織に根付き始めている気がします。これからが楽しみです。

コロンビアは危険な国という印象もありますが、気候の良いメデジンは、退職後に住もうという人も多いようです。とても人情味のある明るく素朴な人たちに囲まれて、私のボランティア生活も最終章を迎えています。コロンビアのコラソン(心根)を持ち帰り、これらの経験を活用したいと思っています。



(関連リンク)

各国における取り組み コロンビア

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赴任先の縫製訓練センター

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縫製訓練センターでのラジオ体操

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SENAの縫製現場改善会議。県内の教官が集合


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縫製工場での現場改善指導風景

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改善ボードの前で広報活動。「お教えします!」

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改善発表会の様子


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