国際標準ISO認定へのチャレンンジ(コスタリカ大学電子顕微鏡センターにて)

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コスタリカに来て1年半が過ぎました。本当に月日が早く過ぎていきます。人々は日本人に似て人当たりが良く親切で、生活しやすい国です。

コスタリカ大学の学生たち、職場の人たち、住んでいるマンションの人々、スーパーマーケットの店員さん、散髪屋さん、旅行先などでコスタリカの人たちと話すとき、私は日本から来ましたと伝えると、ほとんどの人から「きれいな国ですね」「テクノロジーの国」「日本に行きたい、でもお金がなくて……」と返ってきます。

日本から遠い中米の国でこんなに日本に親しみを感じ、日本を知ってる人が多いことにびっくりしています。

さて、私は国立コスタリカ大学の電子顕微鏡センターで活動中です。品質管理の国際標準ISO/IEC17025の取得計画があり、その活動を支援してます。

本稿では、私が経験したことがない任国事情へどう取り組んできたかを、皆さんに紹介したいと思います。

一つ目。赴任した当初、当研究センターの現状を調査し、びっくりしました。仕事の手順を示す文書や仕事の結果を記録する記録紙が何もない、活動を一緒に進めるセンター所員たちは品質管理の経験がない、ISO要求事項を知らないことです。

しかし、製造業が少ないこの国でISOを当研究センターが導入し、国の産業発展に寄与しようとしている計画に共感し、「これは大変な仕事になる、しかし、やりがいはある」と勇気が出ました。

予想外だった二つ目は、当研究センターの人たちは、自分の仕事を他の人へ教えないことです。教えたら自分の仕事が取られてしまう、と考えているようです(現在、当研究センターの業務は誰かが休むとその人の仕事は止まっている)。

品質管理は「仕事の標準化」が基本で、一つ一つの仕事を標準化し、業務マニュアルの文書にする。もし、ある担当者が休暇等で不在の場合は、他の人が、その文書に沿って仕事をし、結果は同じ品質で事業所の業務を止めないことが品質管理の第一です。

所員の考え方を変えなければISO活動は前に進めず、私は一つ一つの文書を作る際、ISO要求事項を各所員へ何度も説明し(一回では納得せず活動に参画しない)、彼らに自分の業務内容を記述してもらい、それを基にマニュアル文書を開発し始めました。

半年すぎた頃、彼らも理解を示し始め、任期中には文書と記録紙を各50、完成予定です。当初高いハードルだと思っていましたが、私の好きな言葉「為せばなる、為さねば成らぬ何事も」で達成する予定です。

三つ目は、この国の文化である「PURA VIDA」です。英語で「Pure life」。「良い一日を」「やあ元気」くらいのあいさつがわりによく使います。

この言葉、ここで一緒に生活してわかったのですが「仕事よりも、自分の良い一日」にプライオリテイーを置く文化のようです。このため、仕事の進み具合に大きく影響しています。しかし、この国の文化・習慣なので「郷に入れば郷に従え」で、これに適合しないと活動はうまく進みません。

最近、私は日本でもこのPURA VIDAが必要ではと思ってきました。日本の友人や家族などにも勧めています。人生は確かにPURA VIDAが必要です!

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電子顕微鏡センターのISO 活動の仲間(右端がセンター長)。みんな親切で働きやすい仲間たちです

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担当技術者へ、電子顕微鏡の操作・メンテナンスについて現物で確認する

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当センター研究員に対して、新規に作った実験室のルールについて説明


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開発した文書や記録フォーマットを使った当研究センター所員への訓練(毎月1~2回定期的にこの訓練を実施)

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活動一年経過時の「活動報告会」:JICAコスタリカ事務所参加のもとに、勤務先で活動状況を報告

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当研究センター所員の誰かの誕生日、母の日、父の日などいろいろなお祝い事があると、みんなでケーキを食べ楽しく過ごします。これも”PURA VIDA”の一つ?


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