町の教会を観光名所に-住民主体で地域活性化-

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エクアドルの首都キト中心部からバスで2時間ほど走ると、山に囲まれたプエジャロという郊外の町があります。この地域では住民のおよそ8割が農業や酪農、養鶏などに従事し、多くがカトリック教徒です。伝統的な慣習や宗教文化が色濃く残るこの地域で、私は資源に付加価値を与え、住民の収入向上と人材育成を目指す「一村一品運動」に取り組んでいます。

活動当初、政府の支援を待つだけの消極的な住民が多かったため、どうすれば彼らに主体的に動いてもらえるのかに悩みました。そんなある日、町の神父さんが何気ない会話の中で、「こんなに素敵な教会があるのだから、多くの人に見てもらい、コーヒーを飲みながら住民が集えるような場所にしたい」と一言。それ、ぜひ一緒にやってみましょう!と、その場で活動の柱が決まりました。

キリスト教信仰が根強い町であるため、神父さんを取り巻く人たちが真っ先に立ち上がり、約10人のグループを結成。使われていない教会の机や椅子を引っ張り出し、倉庫にしまわれていた古い絵や像などを活用した展示コーナーを設け、神父さんの知識やメンバーたちの記憶、かき集めた資料を元に案内用の台本を作りました。農産物・手工芸品の販売やカフェの運営も企画し、オープン時のイベントにはたくさんの人が訪れました。それからも毎週土曜日と日曜日に営業を続け、5か月間で延べ500人以上を教会ツアーに案内するとともに、特産品などの売り上げは500米ドルを超えました。

運営はあくまでグループのメンバーに主導してもらい、私は一緒に計画を立てたり、改善点を話し合ったり、お客さんを案内したりするなど、日本人の視点から活動をサポートしています。最近うれしい変化もみられ、初めは不安を抱いていたグループのメンバーたちが「毎回一つ一つ学んでいる」「自分たちだけでもプロジェクトができるんだ」と自信をつけてくれたようです。政府から支援を受けるだけだった状態からみるみる成長し、主体的に行動していくことで自分たちの可能性を広げていける、ということを実感してくれたのだと思います。

こうした経験が地域の人たちの糧となり、さらに大きく成長し、活動を継続していけることを願って、残りの任期も活動に取り組みたいです。

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町の教会

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教会ツアーの様子

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特産品の販売の様子


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メンバー全員で準備します

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定例会議では良かった点や改善点、今後について話し合います

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グループのメンバー。今では家族のように仲良しです


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