セニョリータのパーティ

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日本で20歳になることは子どもから大人への節目とされており、重要な意味を持つ。一方、中南米では、15歳になることが、特に女の子にとっては、非常に重要な意味を持つ。なぜなら、「niña(ニーニャ:少女)」から「señorita(セニョリータ:淑女)」へ変わる区切りであるからだ。

先日、15歳を迎えた「señorita」たちを祝うパーティ「フィエスタ・ロサダ」に参加したので紹介する。パーティの日が近くなるにつれ、彼女たちは大忙し。ドレスを選び、写真を撮り、パーティ当日に向けてダンスの練習を連夜しなければならない。家族も協力体制をとっており、また、父親はタキシードを新調し、母親はドレスを合わせ、ネイルサロンへ通い、と自分たちの準備にも余念がない。

そして迎えた当日。街灯のない未舗装の道を進んでいくと、暗がりの中に光を放つ建物が出現。パーティ会場だ。中に入ると、驚いたことに、非常に広いフロアに、ステージはもちろん、花道まである。控えスペースには、ドレスを着た15歳の「señorita」たちが20人ほど待機していた。普段は、制服やジャージー姿の少女たちも、この日ばかりは花嫁と見紛う豪華なドレスに身をまとい、非常に華やかだ。

そして開始時間。家族や親戚が今か今かと待ち受ける中、彼女たちは父親と腕を組んで入場し始めた。彼女たちの顔つきは様々だ。やや緊張した面持ちで慎重に歩く少女。家族に満面の笑みを向けながら、軽い足取りで歩く少女。そうかと思えば父親の風格にも劣らない迫力で、「被写体は私一人」と言わんばかりの表情でカメラのフラッシュを一身に浴びながら歩く少女もいる。それにしてもどの少女も美しく、自信に満ちあふれており、充分に「señorita」の雰囲気をまとっている。

全員が入場すると、毎晩練習していたダンスを披露する。ドレスのまま全員が一斉に、そして機敏に踊る光景は、何とも不思議だ。様々なプログラムが終われば、花道はすぐに撤去され、南米エクアドルらしく、来場者全員によるダンスの時間の始まりだ。先ほどまで「señorita」な少女たちもこの時は、恋人や友人とはしゃぎ合い、「señorita」のいで立ちの中に「niña」が見え隠れする。朝まで踊れば、パーティは終了だ。

日本では味わえない雰囲気であるが、少女たちにとっても、この非日常の空間に一時身を置くことが、「señorita」への意識をもたらすのかもしれない。



(関連リンク)

各国における取り組み エクアドル

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パーティの数日前には、少女たちのお披露目会もあります

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当日の入場は、父親が花道までエスコートします

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舞踏会さながら父親とダンス


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華やかなドレスに身を包んだセニョリータたち

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