同僚のひとこと

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エクアドルは、国名がスペイン語で赤道という意味です。そのことからも分かるように、赤道直下の国です。「さぞ暑いことだろう」と想像される人が多いのですが、国土の中央を南北に貫くアンデス山脈の「シエラ」と呼ばれる地域は標高が高く、ダウンジャケットが必要な時もあるほど肌寒い気候です。

私の活動しているカタマヨも、そのシエラの中に位置していますが、標高が約1,000メートルと低く、温暖で昼間は半袖で過ごせます。雨が少ない上に風が強く、とても乾燥しています。アスファルトが敷かれていない道路から砂埃が舞い、少し西部劇の舞台をほうふつさせます。

そんな砂ぼこりと一緒に舞っているものが、ゴミです。カタマヨではゴミのポイ捨てが大きな問題となっています。この国では市役所が税金を使って道や公園の清掃をするのが一般的なので、多くの人々は「市内の清掃は、市役所がするもの」と考えているのです。

それでは、町がきれいなのかというと、そうではありません。清掃員が掃除をするのは市内の一部で、中心地から離れた地区ではゴミがそのまま放置され、さらに、強い風がゴミを運ぶため、きれいにした場所もすぐに汚れてしまいます。

私はそんなカタマヨで、活動の一部としてゴミのポイ捨て防止活動を行っています。しかしある時、こう思いました。ゴミのポイ捨てがなくなったら、彼らの仕事はどうなってしまうのか。いつも笑顔であいさつを交わす清掃員たちの顔が思い浮かびました。

車での移動中、一緒に活動している同僚に質問してみました。「ポイ捨てが減ると、彼らの仕事がなくなってしまうと言う人もいるんじゃない?」。すると、こんな返答が返ってきました。「確かにそうだね。でも彼らの仕事が市内清掃ではなくて、植物を植えたり、水道を作ったり、道路を舗装したりする仕事に変わってほしいんだ」。

市内清掃の仕事が深夜や祝日も働かなければいけない厳しい仕事であること、また、ほかの事業への費用を割いて行われていることを、彼は分かっていました。日本では「自分のごみは自分で捨てる」のが当たり前で、私はそんなことを考えたことはありませんでした。

実際、現地の同僚と働く中で、文化や習慣の違いでうまくいかないなぁと思うことばかりですが、違う環境で生きてきた人たちだからこそ考えていることがあり、意見を交わすことに意味があるのだと実感し、ともにポイ捨て防止に向けて活動を続けていこうと思いを新たにしました。



(関連リンク)

各国における取り組み エクアドル

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ゴミが散乱する道

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空き地のゴミ。みんなよく食べ歩きをするため、食べ物のゴミが多い

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土の道路。市内の舗装率は50パーセントほど


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道路を掃除する清掃員。深夜だけでなく、炎天下での仕事も厳しい仕事だ

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同僚と実習生とともに、高校でポイ捨てや廃棄物に関する授業を行う

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同僚と高校生向けの講義。スクリーンにはカタマヨのゴミの散乱の様子


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