健康ドリンク王国ニカラグア

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ニカラグアの首都マナグアの中心に「Cocina de Dona Haydee(ハイジ叔母さんの台所)」という、20年近く続くレストランがある。古民家を改装した店内では、手頃な値段で伝統料理を味わえるため、毎晩多くの外国人でにぎわっている。

このレストランで驚かされるのはドリンクメニューのバリエーションだ。ニンジン、カカオは日本でも馴染みがあるが、カララ(パッションフルーツの一種)、リナサ(亜麻シード)、ハマイカ(ハイビスカス)、ヒカロといった、日本ではあまり飲まれることのない天然素材を使ったナチュラルドリンクも豊富にそろっている。これらはニカラグアで伝統的に飲まれており、薬草的な効果もあるようだ。中でも今世界中でブームになっているのが「チア」である。

チアはシソ科サルビア系の植物の種で、古くはマヤ、アステカの時代から中米地域で食用として栽培されており、特に年配のニカラグア人が愛飲している。チア自体には味も香りもなく、水に入れるとゲル状になって数倍に膨らむ。通常はタマリンドというマメ科の木の実とミックスジュースにして飲む。ゲルの粒がのどを通る時のグリングリンという飲み心地がたまらない。

驚くべきはその栄養価だ。タンパク質、食物繊維、カルシウムのほか、動脈硬化や高血圧を予防するといわれるオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいる。そのため欧米では「ミラクルシード(驚異の種)」と呼ばれ、持てはやされている。昨年はマナグアで「第1回チア・フォーラム」が開かれ、有望な輸出作物として再認識された。ニカラグアは今後、年間1,000トンの輸出を目指しており、小規模農家の収入向上にもつながる希望の作物となった。

このチア輸出フィーバーのせいか、「ハイジ叔母さんの台所」では、最近チアが品切れの日が多い。JICAオフィスのニカラグア人スタッフも「最近はチアの値段が急激に上がった」と言う。日本市場に向けても、3月4日から7日まで幕張メッセで開催される「FOODEX 2014」にニカラグア産チアが出展される。健康食品とマヤ伝説に敏感な日本人の注目が集まることが予想され、ニカラグア国内のチアがますます品薄になるだろう。

ニカラグアの郷土飲料が広く世界中に紹介され、国内の貧困対策の解決につながるのはうれしいものの、しばらくは「ハイジ叔母さんの台所」で、チアの代わりにニンジンジュースを注文することになりそうだ。

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「FOODEX2014」に出品されるCACトレーディング社のチア

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不思議なのどごしのチアドリンク

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伝統料理チャンチョコンユッカ(豚肉とキャッサバの盛り合わせ)


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ロブスターが丸ごと入った海鮮スープ

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隠れたリゾート地も多い中米の楽園ニカラグア

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