パナマを駆け抜けろ!-がたごとバスに本と夢を乗せて-

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中南米に位置する「パナマ」という国を聞いたことがあるでしょうか?

「パナマ運河のある国」と言えば、ピンとくる人も多いのではないでしょうか。この運河を世界中の商船が利用することから「世界の十字路」と称されています。そのため、パナマ国内には、あらゆる人種の人々が生活し、各国のレストラン、ブティックなどが多く建ち並んでいます。しかし、これには「パナマの一部には」という言葉が付帯します。

パナマ運河がもたらす恩恵の影には、その恩恵を受けられない人々がいるということを忘れてはいけません。パナマは世界でもトップクラスの格差社会です。お金や人、さらに政治、サービスなどが都市部に集中しており、地方や山間部など、光が当たらない地域も、パナマには存在するのです。

私は現在、首都パナマ市にあるパナマ国立図書館で活動しており、主に「移動式図書バス(以下、ビブリオブス)」で、山間部の幼稚園、小・中学校、地方図書館を巡回しながら、読書の推進活動を行っています。

ところでみなさん、パナマの小学生が年間に何冊の本を読んでいるかご存知でしょうか?

ある調査によると「0.2冊未満」だそうです。ちなみに全国学校図書館協議会の調査によると、日本の小学生は年間132冊を読んでいます。(注)

パナマの子どもたちにとって、これほど本は遠い存在なのです。その子たちに対して私たちにできることは、ビブリオブスに乗り、本を届けることです。

生まれて初めて本を手にし、きらきらと光る目で絵本を見つめ、飽きることなく、何度も何度も同じページを眺めている姿は、いつ見ても感動的です。

ビブリオブスが到着すると、学校の授業は少しお休み。教室から飛び出し、橋の上を走って川を渡り、ビブリオブスに駆け寄ります。

現在、パナマ市内の20ヵ所以上を巡回しているため、子どもたちにとっては月に一回のチャンスなので、大喜びです。

前に読んだ本の内容をうれしそうに説明する子どもたち。

絵本の読み聞かせを、前のめりで聞く子どもたち。

本を片手に「次はいつ来るの?」「次はこの本を借りるんだ!」と笑顔を浮かべながら話す子どもたち。

「次は絶対持ってくるから!」と言いながら返却日に本を忘れ、「あなたは今日、本の貸し出しお預けね!」と怒られている姿は、どこの国でも同じです。

これから、この子たちがもっともっと本に触れ、色々な世界を知ってもらうことを願ってやみません。そして、今日も本と夢を運ぶため、パナマのがたごと道をビブリオブスが走ります。



(関連リンク)

(注)全国学校図書館協議会新しいウインドウで開きます

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