個性あふれるパナマっ子

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「ブエノス・ディアス!(スペイン語で「おはよう」)」

授業開始時に、私があいさつすると、子どもたちから小声で「・・・ブエノス・ディアス・・・」と返事があります。さらに私が「全然聞こえないよ~。ブエノス・ディアス!」と言うと、子どもたちは少し笑って、初めより少しだけ大きな声で「ブエノス・ディアス!」と返してくれます。

また、好きな食べ物を質問したら、「鳥ご飯」「鳥ご飯」「鳥ご飯」と、同じ回答がひたすら続きます。このようにパナマの子どもたちは非常に照れ屋で、初めて会った人には大体ひそひそと小さい声で話します。なんだか日本人みたいですよね。当初、陽気なラテン気質の子どもを想像していた私には、少しカルチャーショックだったことを記憶しています。

私は、環境教育を担う青年海外協力隊員として、首都パナマ市の都市家庭廃棄物庁清掃推進部で、パナマ市の子どもやコミュニティー住民を対象に環境教育を行っています。

首都パナマ市は中米有数の世界都市で、経済的にはとても良い状態です。しかし、急激な経済成長に伴い、慢性的な廃棄物管理の問題が日々のニュースでも頻繁に取り上げられています。2010年から2014年の4年間で、廃棄物排出量が38パーセント(15万3,245トン)も上昇していて、市内の道や川には、放置されたごみがあふれています。

私たちが幼児向けの環境教育を行っているサンミゲリート地区も、市民によるごみのポイ捨てが深刻化している地域です。幼児向けの環境教育では、3S(整理、整頓、清掃)の中の「清掃」をテーマに活動しています。

「自分で遊んだ物は自分自身で責任をもってお片付けする」、「ごみは責任をもってごみ箱に運ぶ」ということを、一緒に遊びながら、アクティビティを通して教えています。また、廃棄物を利用した工作も行っています。子どもたちは工作が大好きで、私が考えもつかない色を選び、すごい集中力で作ります。その作品の配色はとても個性的で驚かされます。

国際空港近くのトクメン地区では、小学校向けの環境教育を行っています。この地区では、ところどころに放置されたごみ山に多くの鳥(特にヒメコンドル)が群がり頻繁に周囲を舞うことで、離着陸する飛行機とのバードストライクの発生危険性につながっていて、問題になっています。授業は参加型で、児童が考え、自由に自分の意見を言える環境作りを心がけています。将来は、それぞれの学校でアクションプランを作り、問題解決を実施する予定です。

先日「水の循環・水の公害について」をテーマに、日本の公害、水俣病の話をしたときのことです。1人の児童が授業終了後に近づいてきて、こう言いました。「先生、ハグしてもいいですか?」私が、「いいよ、おいで!」と言ってギューとしたら、彼女は「悲しいお話だったね」と言いました。

パナマの子どもは、冒頭でもお話しした通り、とても照れ屋ですが、思いやりのある優しい心を持っています。そして、多文化を受け入れてきた背景からなのか、非常に素晴らしい個性にあふれています。このような個性にあふれるパナマっ子が、環境について考え、行動を起こしてくれることを願って、今日も私たちは活動しています。

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廃棄物を使った幼児の作品

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全力でアクティビティを楽しむ幼児

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遊んだあとのごみのお片付けをする幼児


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環境問題への意見を発表する小学生

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水の汚染、水俣病について学ぶ小学生

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トクメン地域の小学生。環境教育には航空会社も参加


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