その想い、パナマの理科教育につなげよう!!

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2017年6月5日から8日まで、パナマの研究者と教員を対象とした科学技術分野の全国大会が、私の配属先にて行われた。この大会は、生物、物理、化学、環境、自然科学、情報通信技術教育の6分野からなり、それらの専門家が講演会やワークショップを行うものであった。今回はその記念すべき第1回で、私も発表者の一人として参加した。全体の参加者は約300人、私のワークショップには33人が参加した。

今回、私がこの大会でワークショップを行う上で目的としたことは、以下の二つである。

一つ目は、「身近にあり簡単に手に入る材料で、いかにして実験を行うか」ということである。パナマでは、多くの学校が金銭的な面で困っている。また、実験を行うにも設備や薬品が常に不足している。そのため、実験が行われず、知識・暗記中心の授業になりがちである。

二つ目は、「生徒の科学分野に対する興味・関心をいかに引き出すか」ということである。パナマでは、都市部と地方部で教員の指導力に大きな差がみられる。参加者の中には、顕微鏡で初めて細胞を観察した者、実験器具の扱い方が分からない者など、実験を行う上で身につけておかなければならない基礎知識の乏しい者もいた。理科の実験を行うということは、知識中心の授業とは異なり、生徒の興味・関心を引き出すことができる。また、実験に失敗した際、その理由を考えることこそが、科学的思考力の向上につながる。そのためには、実験を指導する教員が正しい知識と経験をもつことが必要である。

ワークショップでは、どの参加者も積極的に実験に参加し、中には私が説明中にも関わらず、待ちきれずに始めてしまう者がいたり、常に実験の様子を携帯電話で撮影している者もいたりした。

今回は、日本の高校で一般的に行われる実験を紹介したが、結果がうまく出ないグループもあった。

しかし、うまくいかなかった原因を考えることこそが大切である。実験後の話し合いの中で、実験を成功させるには実験材料を替えてはどうだろうか(例えば、日本では高価だが、パナマでは安価な野菜)など、日本人の私には思いつかないような考えを提案してくる者もおり、私自身も刺激を受けることができた。また、ワークショップ終了後も、熱心に質問しに来る者や、ワークショップの依頼をしてくる者もいた。

私が想像していた以上に、パナマには熱い想いをもった理科教員がたくさんいる。こうした教員が今回学んだことを少しでも現場で生かすことができるよう心から願う。

(写真注)国際協力の現場で技術移転や政策アドバイスなどの対象となる組織、または行政官や技術者のこと

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日本での学校生活の様子を紹介する筆者

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ろうとの使い方を指導する筆者

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顕微鏡観察に使うタマネギ表皮のはがし方を参加者に説明する筆者


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参加者の顕微鏡観察を補助する筆者カウンターパート(注)

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DNA抽出実験に使用するブロッコリーを切り取る参加者

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DNAが抽出できたかどうか確認する筆者とそのカウンターパート


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