パラグアイでの私の活動-日本から移民した高齢者の懐の深さに触れて-

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南米パラグアイの首都アスンシオンより南方向へ約360キロ向かうと、私の任地であるエンカルナシオン市があります。ここは、パラナ川をはさみアルゼンチンと国境に接しており、約54ヵ国からの移民が住むといわれている、国際色の豊かな都市です。

エンカルナシオン市を含むイタプア県内にはチャベス移住地、ラパス移住地、ピラポ移住地、エンカルナシオン地区の4つの日本人移住地が密集しており、各地には日本人会が組織されています。

パラグアイ日系社会での高齢者福祉制度は日本と比べると、医療や介護などの保障は決して十分ではなく、経済的・身体的・精神的に家族への負担が大きいのが現状です。そのような中、各移住地では高齢者のため「デイサービス」や「高齢者同士の交流会」といった福祉活動が実施されています。

私はイタプア県内の各地区を巡回しながら日系移民第一世代(以下、一世)の方々を対象に、主に介護予防を目的としたデイサービス運営の補佐などを行っています。

この高齢者福祉活動の中心となって動いているのは各地区の福祉ボランティアグループ(メンバーは主に日系主婦)に在籍している地元のボランティアです。福祉活動の内容についての話し合いや地元ボランティア向けの研修会を、配属先福祉担当やシニア海外ボランティアと協同で企画・開催することも私の活動のひとつです。

以前、とあるデイサービスで一世の方と話した時にこんなことをおっしゃっていました。「私はパラグアイに来てよかったと思ってる。たしかに大変だったけど、今じゃ食べ物もうまいし、地震もないしね。ここはまさに地上の楽園だよ」と。

開拓当時、「苦労」という言葉では言い尽くせぬほどの経験をされたことを穏やかに笑って話すその表情からは、言葉の深みを感じるとともに人間味の豊かさをひしひしと感じられる瞬間でした。

また日系移住地では敬老会や成人式、運動会と毎年の恒例行事として開催されており、私自身、以前に比べて日本の伝統や文化を意識する機会が多くなりました。そして同時に「日本人の良さってなんだろう」「日本人気質ってなんだろう」とも考えるようになりました。

今年は日本人が最初にパラグアイに移住して80周年という節目の年を迎えます。

「私にできることは何か」。一世の皆さんの思いに耳を傾け、一人一人と向き合い、残り期間の活動にまい進したいと思います。

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高齢者と健康ゴムバンド体操の発表

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デイサービスにて貼り絵を作成

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お達者クラブ手芸の会の開催


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地元福祉ボランティアのための研修会

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