生活改善からつなげた性と人権の教育

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私の活動の柱は「生活改善」。農村集落の女性たちと食や家計に関する活動とともに、小中学校を訪問して家計管理、環境向上といったテーマでのワークショップを実施しています。農村部集落へ行くにはいつもガタガタの道を自転車で走らなければなりませんが、おかげで現地の人たちに顔を覚えてもらい、気軽に話ができるようになりました。

地域の中には極端な貧困や問題を抱えて行政が介入している家庭がありますが、その一つの要因が13、14歳といった中学生を含む若年世代の妊娠と出産です。経済力のない若い女性たちは、子どもを抱えながら自力で生活をすることが困難なのに加えて、男性も生まれてくる子どもに対して責任を持とうとしないケースが少なくありません。

また、性に関する知識を伝える場である学校も、教師が性に関する用語を口に出して話すのを恥ずかしがり、教科書の内容を書き写しさせるだけにとどまっていました。

「なんとかしたい」、という気持ちが沸く一方で、自分一人でできる分野ではないと感じていましたが、市内の行政関係者に相談したところ、同様の問題意識を持つ保健センターの助産師や、家庭問題への介入を実施している市役所の女性課・青少年課の職員たちが、業務時間外にボランティアで話し手になると申し出てくれました。

加えて、他の任地で性教育の実施経験のある保健師隊員も、バスで約11時間かかる距離にも関わらずサポートしてくれることになりました。

そして迎えた市内初の試みである「性の健康と人権」に関するワークショップ。

協力を申し出てくれた人たちがマルチコラボする形で生殖器や妊娠の仕組み、性感染症、そして人権という観点からこのテーマを伝えてくれました。

ワークショップ終了後、生徒に声をかけてみると女子中学生からは、また聞きたいという声が挙がるとともに、心配ごとを抱えている生徒から個別相談に結びついたケースもありました。計画段階では子どもや保護者から受け入れられないことを心配していましたが、生活改善に関する活動で、生徒や地域の人々と関係を構築できていたこと、学校側と何度も目的や内容を確認していたことが良い結果につながったと感じています。

現在、複数の学校を巡回して実施する中で、子どもだけでなく、保護者にも伝える場を設ける他、性暴力の防止といったテーマも交えて紹介を続けています。今後も地域の中で関係者が連携して継続していけるようにサポートしていきたいと思っています。



(関連リンク)

各国における取り組み パラグアイ

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初回ワークショップの参加者たち

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生徒たちにこのテーマが重要であることを語りかける

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保健師隊員による性感染症の仕組みを知るアクティビティー


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現地の助産師とのコラボレーション

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市役所の青少年課による人権に関する啓発活動

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性と人権の話を熱心に聞く教師や保護者たち


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