山羊ブルセラ病の集団発生

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昨年10月の中旬に、国立アスンシオン大学獣医学部の実習山羊農場において、山羊ブルセラ病の集団発生がありました。ブルセラ病とは山羊、羊、牛等の流産を伴う家畜伝染病で、人に感染すると高熱、関節の痛みを伴う人畜共通感染症です。最初に一人の学生がブルセラ病と確認された後、山羊が原因ではないかと山羊の検査が行われ、十数頭の山羊ブルセラ病が確認されました。

私はパラグアイの国立家畜品質・衛生機構(以下SENACSA)のブルセラ病科で、診断、抗原の作成等のお手伝いをさせていただいています。今回の集団発生に伴い、農場の家畜の血清及び臓器、また実習学生、実習農場関係者の血清、血液が、大量に検査のためSENACSAに送られ、血清学的診断、ブルセラ菌分離同定と忙しい毎日を同僚と過ごしました。

パラグアイにおける、ブルセラ病性鑑定については、家畜、人も含めてSENACSAにおいて実施されています。

家畜の血清診断では、抗体のスクリーニングテスト、抗体力価テストを行い、感染初期抗体か後期抗体かの区別等をさまざまな試験法で行います。また、人の場合はさらに別な方法でも血清診断を実施します。家畜の場合、血清診断で陽性となった個体は殺処分され、菌分離にあっては、さまざまな生化学的性状を当たり、最終的に分子生物学的な手法で同定します。

今回の山羊ブルセラ病集団発生の経路については、まだ解明されておりません。農場関係者、学生に何人かの感染者が認められ、感染した山羊から人に感染したものと考えられます。感染者は、各々抗生物質による治療が行われているものと思われます。

人ブルセラ病は、感染家畜との接触や感染生乳を摂取することにより感染します。地方においては特に山羊生乳の摂取が習慣的に行われているとも聞きます。新聞、テレビ等のマスコミにも取り上げられ、改めて人畜共通感染ブルセラ病について認識されたようです。



(関連リンク)

人畜共通感染症学会の開催(2017年8月16日掲載 西野 重雄(シニア海外ボランティア、新潟県出身))

口蹄疫、牛結核、牛ブルセラなどのフリーを目指して(2017年4月14日掲載 西野 重雄(シニア海外ボランティア、新潟県出身))

各国における取り組み パラグアイ

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集団発生に伴う検査材料搬入

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スクリーニングテスト陽性

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人血液材料を培養検査


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ブルセラ菌コロニー

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