「ハレの舞台」をきっかけに−環境立国への第一歩−

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マンゴー、ヤシの木、砂浜、サーフィン、海の幸——常夏の島を連想させるものばかりですが、これらは私の赴任地ペルー北部沿岸の名物です。2014年4月から南米大陸最西端の町ピウラ州タララ郡で、郡役所環境課の一員として、学校巡回や住民グループとの会合、清掃活動を通して、町のゴミ削減に取り組んでいます。

ペルー人に対する第一印象は「朗らか」「勤勉」というものでした。実際に仕事と学業を両立している同僚も数多くいます。他方、ペルー人は一般的に、記念日に開催されるお祭りを「ハレの舞台」として、思い切り楽しみます。タララの人々も例外ではありません。幸いタララでは環境保全に関する記念日が少しずつ浸透してきており、9月の「国際ビーチクリーンアップデー」(注1)に合わせて、行進と海岸清掃が実施されました。後日、イベントに参加した小学生が「ゴミはゴミ箱に捨てるんだ」と言ってくれたときには思わず顔がほころびました。「お祭り好き」というペルーの国民性が環境問題の啓発に一役買う形となりました。

折しも2014年には、ペルーから世界に向けて環境問題を発信する「ハレの舞台」が巡ってきました。12月1日から12日まで「COP20」(注2)が首都リマで開催され、世界中の環境問題の専門家が一堂に会したのです。会議の様子はマスメディアを通じて連日報道されました。会議の協賛団体として、JICAペルー事務所も会期中に広報ブースを出展。5日から8日の4日間、私もJICAボランティアの一人という立場で手伝いました。「身近なものを通して環境問題を考える」をテーマに、空気を利用した実験や新聞紙の再利用法を紹介。とりわけ、日本の折り紙の要素を含む「新聞紙エコバック」は簡単なリサイクルの一例として好評でした。ブースには多くの来場者が訪れ、日本とペルーの懸け橋となるJICAの事業に関心を持ってもらえたようです。

依然として多くのペルー人にとって、「環境問題はまだまだ遠い存在である」と考えられています。しかし、将来を担う子どもたちや住民グループのリーダー、行政や企業内で環境部門に携わる人々の間で、身近な環境配慮行動が着実に実践されているように感じます。「ペルーから世界に向けて環境問題を発信する」。そんな一歩を踏み出したタイミングでペルーの環境教育に携われることに縁を感じながら、「地球は私たちの家」という意識を一人でも多くの人に持ってもらえるよう、日々のボランティア活動に従事していきたいです。

(注1)米国のNGO団体である「オーシャン・コンサーバンシー(Ocean Conservancy)」の主宰で1986年に始まったごみ拾いキャンペーン活動。世界中で同時期に実施され、拾った海岸ゴミについて共通の方法でデータを収集している。
(注2)「国連気候変動枠組条約第20回締約国会議」のこと。京都議定書に代わる2020年以降の気候変動・地球温暖化対策について協議され、その対策目標に盛り込む項目などに合意した「気候変動のためのリマ声明」が採択された。

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南米大陸の最西端に位置するパリニャス岬

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小学校で環境教育の授業を行う筆者

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「国際ビーチクリーンアップデー」に合わせて行われた行進


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COP20のJICAブースで「新聞紙エコバック」が大人気

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COP20のJICAブースで「空気を利用した実験」

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ペルーの国民食「セビッチェ」は生の魚介類のマリネ


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