魅惑のペルー北部 クントゥル・ワシ遺跡・博物館

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1989年、ペルー北部にあるクントゥル・ワシ遺跡(紀元前1100〜50年)で南北アメリカ大陸最古の金製品が東京大学古代アンデス文明調査団によって発見されました。そして、これらの出土品を守り研究成果を地元に還元するため、調査団は日本外務省の援助を取り付けて1994年にクントゥル・ワシ村に博物館を建設し、寄贈しました。以降、博物館は地元住民の有志によって運営されています。私は大自然に囲まれたクントゥル・ワシ村で、地元住民をサポートし、博物館の運営を通して地域振興に励んでいます。

2013年8月に着任し、すぐに宣伝活動に力を入れました。なぜなら、着任当初、博物館にはプロモーションをするためのツールがなく、国内での知名度が低かったからです。ホームページとフェイスブックを開設し、ポスターやパンフレットを製作・配布した結果、2014年度の来館者数は、わずか半年で2012年度の1年間を上回るまでに増加しました。さらに、2014年には東京大学総合研究博物館の援助を受け、展示を一部リニューアルしました。地元住民の今までの歩みのパネルとビデオも地元住民と制作し、展示を始めています。

また、地元住民と四苦八苦しながら貯めた資金で、博物館グッズの開発も行いました。デザインも地元住民と共に「ああでもないこうでもない」と話し合いながら決めました。彼らにとって初めての経験であり、より博物館への参加意識が高まったようです。

さらに、博物館では毎年9月に地元住民が行う式典があります。2014年はクントゥル・ワシ文化協会発足20周年記念の年にあたり、ペルー国内や日本を含む外国から多くの方々が参加されました。

そのほか、近隣のボランティアと協力して「アカデミア」と称したイベントを企画し、子どもたちに歴史だけでなく文化、言語、道徳といったことを教え、地元の遺跡の重要性を説くこともできました。中には「将来、考古学者になりたい」と言ってくれた子どももおり、有意義な活動であったと実感することができました。

将来を担う子どもを通じて地元住民に遺跡の重要性を認識してもらうことは、遺跡を守り、遺跡を活用した持続的な地域振興にもつながることだと考えています。

地元住民と接すると、この博物館がいかに彼らにとって大切で、よりどころであるのかが伝わってきます。地元住民が運営する博物館は世界でもまれです。そのため、地元住民が運営する博物館として世界の手本、モデルになることがこの博物館の目標だと思っています。

関心を持ってくださった方、ぜひホームページとフェイスブックをのぞいてみてください。貴重な出土遺物や、遺跡や石彫を描いた記念硬貨の写真もありますよ。



(関連リンク)

クントゥル・ワシ博物館フェイスブック新しいウインドウで開きます

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クントゥル・ワシ博物館 外観

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クントゥル・ワシ博物館 館内1階

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クントゥル・ワシ博物館 館内2階


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クントゥル・ワシ遺跡。紀元前1100〜50年にかけての4期にわたって更新しながら造られた神殿

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クントゥル・ワシ博物館でボランティアとして働く村民と隊員

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クントゥル・ワシ文化協会20周年記念式典 (2014年9月6日)


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