南米ペルーから宇宙を目指せ!−プラネタリウムで夢を育みたい−

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首都リマにあるペルー国立地球物理研究所(以下IGP)内の国立ムツミ・イシツカプラネタリウムで、理科教育の向上を目指して活動しています。このプラネタリウムはペルーでの天文学普及活動を目的として、2008年に日本の文化無償資金協力(注)で贈られたもので、長年ペルーで天文学の普及に尽力された日本人、石塚睦博士の名前が冠されています。

リマで「プラネタリウム知ってる?」と尋ねると「あー、星見る施設だね」と返ってきます。ただし、地方ではプラネタリウムを知らないという方がほとんどのようです。私の役目は、ペルー全土の子どもたちはもちろん、大人にもプラネタリウムを認知してもらい、天文学や科学の面白さに気づいてもらうこと、そのための入り口を用意することです。

具体的には、メーンのプラネタリウム投影のサポートだけでなく、さまざまなイベントの企画も行っています。例えば、IGPも出展したリマ市内で開催の天文イベントでは、ペットボトルロケットの発射イベントを実施しましたし、ワンカイヨという標高3,300メートルにあるアンデス山脈の町ではペットボトルロケット作り教室をサポートしました。

また、子どもたちに幅広い分野の知識を得てもらいたいという思いから、日本の企業とコラボレーションし、IGP内でペルーの小学生を対象に「遠隔電池授業」というイベントを開催しました。日本と回線をつなぎ、電池について学びながらオリジナル乾電池を作るという体験型授業で、子どもたちに楽しんでもらえ、大成功に終わりました。開催に当たっての準備や調整で大変なこともありましたが、カウンターパートなどの多くの関係者のサポートのおかげでとても有意義なイベントとなりました。

さらに7月には、七夕の時期に合わせて「出張3D宇宙旅行投影」というイベントを、リマにある日秘文化会館の日本語クラスの受講生約180人に対して行いました。3Dメガネをかけることで、あたかも宇宙を旅行しているような気分にさせてくれる、とても面白い投影です。日本語とスペイン語の両方で宇宙や惑星の解説を行い、天文学教育だけでなく日本語教育という面でも貢献することができました。

さて、私自身が理科や科学に興味を持ったきっかけは、小学生のころに両親と一緒に科学館でペットボトルロケットを作ったことでした。科学についていろいろなことを学びたいと思い、高等専門学校でロボットの制御技術を勉強し、大学院では半導体物理分野で液晶ディスプレイ関連の研究をしてきました。科学の面白さを体感してきて、「今度は自分が科学の面白さを伝えることで世界の子どもたちに夢を持ってほしい」と思うようになり、今この地で活動をしています。

プラネタリウム投影や天文学に関してはIGP職員などから学ぶことの方が多いですが、私のバックグラウンドは半導体分野で、天文学以外だからこそ、違った視点でペルーの天文学教育、ひいては科学教育に切り込んでいけるのではと思っています。職員が「こんな新しいやり方もあるんだな」という刺激を受けてもらえれば最高です。

「新しい仕組みの天体望遠鏡を作る技術者になりたい」「宇宙の謎を解き明かす研究者になりたい」、さらには「宇宙飛行士になって宇宙を自分の目で見てみたい」といった夢を持つ子どもや青年が大勢、育つよう、これからもこのプラネタリウムで挑戦していきたいと思います。

(注)対ペルー文化無償実績



(関連リンク)

対ペルー文化無償実績新しいウインドウで開きます

大阪府出身JICAボランティアとパナソニック株式会社によるコラボ

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ペルー国立地球物理研究所

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プラネタリウムを訪れた子どもたち

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ペットボトルロケットを発射しよう!


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体験型授業、オリジナル乾電池を作ろう!

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七夕イベントでの出張3D宇宙旅行投影

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日秘文化会館にて同僚と(左が筆者)


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