南米ペルーでの奮闘記−帰国後もつながっていたい!−

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ペルーの首都リマから東に1,000キロメートルほどのクスコという都市で、マーケティングの活動をしています。扱っている商品は「キウィチャ」というアンデスの穀物を使ったクッキー、そして日本でも最近知名度が上がってきた「キヌア」です。

クッキーは、クスコから50キロメートルほど離れたサンサルバドル市で婦人会の主婦たちが作っているものを扱っています。キウィチャというのはキヌアの姉妹品種で、アメリカ航空宇宙局(NASA)に、スーパーフード(注1)として認められ、宇宙食にも採用されているほど栄養価の高いものです。

クスコ市内にあるキオスク、スーパー、学校に狙いを定め、最初は順調にクッキーの販売数を伸ばしていく一方で、ペルーと日本の労働に対する認識の違いという壁にぶつかりました。婦人会の主婦たちの多くは、クッキーの販売を自分の仕事だとは思っていない上、得意分野以外のことに挑戦するのを極端に嫌うため、新しいことを伝えるのも難しかったのです。

私は、株式会社アキュートという民間企業に所属したままで現職参加している「民間連携ボランティア」(注2)です。日本での社会人経験も踏まえ、クッキー販売を仕事としてとらえてもらい、積極的な販売を実現するにはどうすればよいか、考え抜きました。

その結果、彼女たちは、新規顧客獲得の営業や、マーケティングの知識を吸収することには拒否反応を示しますが、お祭りなどイベントで長時間、立ったまま、元気よくクッキーを売り続けることができる体力と精神力という強みを持っていることに気づいたのです。

それまで自分の価値観を強引に現地の方々に押し付けていた自分に気づかされました。「マーケティングの知識を伝えなくては」「日本の営業手法を伝えたい」「高い売り上げ目標を達成しなければ」という価値観・・・そうすれば組織は盛り上がっていくだろうと勘違いしていました。

5ヵ月ほどかかってしまいしましたが、大事なのは、現地の人々と歩調を合わせながら、お互いを理解し、尊重し合うことだと今は実感しています。その実感から数ヵ月、最近は彼女たちは得意分野であるイベントや祭事に昨年よりも多く参加し、積極的にクッキーを販売するなど、自分たちで市場を開拓するようになってきました。

また、仕事としての責任感も強くなっているようで、以前はあまり聞かれなかった失敗に対する反省も、近ごろは聞かれるようになりました。さらに私との連携についても明確に理解してもらえたようで、何かあればすぐに情報共有をしてくれ、本当にうれしい大きな一歩を踏み出せたと感じています。

7月からは、キヌアの販売とマーケティングも手掛けています。クスコ、プーノなどの都市でキヌアを仕入れ、首都のリマのキヌア海外輸出業者に販売しています。キヌアには多くの種類があり、種類によって栄養価も多少違うなど、まだまだ勉強中ですが、9月6日に初めてリマで貿易会社社長とスペイン語で商談し、扱っているキヌアをしっかりアピールできました。商談の準備に追われた日々でしたが、充実感に溢れています。

キヌアをきっかけに帰国後もペルーとつながって、ペルーの経済に少しでも貢献できたら最高だと思っています。

(注1)「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること」と定義され、一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途を併せ持つ。
(注2)現在、勤めている人が、休職などの形で所属先に身分を残したまま青年海外協力隊などのJICAボランティアに参加すること。

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サンサルバドル婦人会の方と一緒にキオスクのお客様と商談中(右が筆者)

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お客様の一人と記念撮影

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清潔に保たれたクッキー工場


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出来上がったクッキー

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リマで商談したキヌアの貿易会社社長と

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リマではキヌア貿易会社の重役とも商談


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