ひととつながる、ひとをつなげる

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私はJICAシニア海外ボランティアとしてペルー共和国にいます。ペルーを知らない訳ではなかったのですが、首都リマに来てみると、南緯12°なのに海流が原因らしく長い冬があり、気温は12℃前後、高い湿度で体感的にとても寒く感じます。これには驚きました。

また、中南米は陽気な印象でしたが、リマの方々は真面目でどこか無愛想。恥ずかしがり屋で消極的。これにも驚きました。でも日本も東京では表情固く足早に移動し列車の中では疲れ顔。そして恥ずかしがり屋で消極的。似ていますね。経済成長著しいペルーだそうですから、どの国も首都の皆さんは気忙しく過ごし、忙しいという字の成り立ちのように少々「こころをなくしている」のかも知れません。

私は、リマ市南のチョリージョス地区にある日秘友好国立リハビリテーション・センターで障害者スポーツの支援を目的に活動をしている理学療法士です。国の最高施設ですので同僚の療法士たちはレベルが高く経験豊富で勉強熱心。しっかりとスポーツを支えています。しかし、長く関わるとやはり課題は見えてきます。

一つは、退院後の患者さんたちがいかに障害者スポーツを継続するかです。それならばと、ペルー障害者スポーツの現状を調査しました。配属先以外にもスポーツを取り入れている施設はたくさんあり、またペルーパラリンピック委員会を軸に、競技性の高いスポーツも積極的に取り組まれているとわかりました。

言葉が未熟でも、配属先の外の活動では、心を開いてより積極的になって人間関係を作る必要があります。例え相手がどこか無愛想だとしてもです。皆さん、私が支援に来た日本人とわかると、丁寧に接してくださいます。そうやってたくさんの人と出会いつながっていくと、ある病院で、障害者スポーツ講習会での講義を依頼されました。もちろんそれには全力で応え、楽しい講義となるよう努めました。それが功を奏したのか、次には理学療法士であるにも関わらず南米でも由緒あるサンマルコス大学の作業療法国際学会からも依頼がきました。学会という名の厳粛な場なのに、発表後半は場違いにも音楽に合わせたスクワットを全員で行い、学生たちと汗をかいて盛り上がました。

インターネットの普及により情報化社会となった今では、世界から見ても日本は未知の国ではなくなりました。しかし、いくら情報収集手段や通信手段が発達しても、ひととのつながりなしには生きていけません。機会や技術を開発したのも人です。相手の気持ちを汲み取って心を通わせることが、何においてもまず大事だと思います。リマの人達の気質に始めは驚きましたが、自ら心開いて飛び込んでいくと、相手も心を開くばかりではなく、とても楽しい事が舞い込んでくるのだということを体験しました。理学療法士なのに作業療法学会に招かれたのには違和感がありましたが、幸いにも発表10日前に配属先にJOCV作業療法士が着任し、彼女と大学生や作業療法士の方々をつなげることができて、「つながること」の意味を実感しました。

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プレゼンテーション中

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スクワットで汗を流した後、みんなで記念撮影

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