世界に届け!果汁たっぷりブドウで作ったカスカス産ワイン

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私の任地であるカスカスは、ペルー北部ラ・リベルタ州内に位置し、周囲をブドウ畑に囲まれのんびりした雰囲気の小さな町で、すれ違うたびに誰とでもあいさつを交わす、親しみやすい人々が暮らしています。年中、春のように恵まれたその気候から、ブドウの収穫が盛んで、隣国のエクアドルや近郊都市に卸しています。

着任当初は、「町にスーパーや銀行がなく、停電や断水もしばしば。バイクのそばで犬やロバ、鶏やヤギが走っている。30分も歩けば町を1周できる。こんな小さな町で、やっていけるのだろうか」と不安が募っていました。でも、「住めば都」とはよく言ったもので、今では外から町に帰ってくると、ホッとします。

さて、私の配属先は、カスカスを含む4つの町から成るグランチムー郡の役所にある農村開発課で、農家支援や植林、環境問題などを担当しています。私は、ブドウと、ワイン、ジュース、ジャムなどブドウ加工品の販売活動を促進するためのボランティアとして派遣されましたが、赴任当初は同僚と協力して行う活動はほとんどありませんでした。

そんな中、2015年9月に首都リマで行われるフェリア(展示会)への出展が決まり、農村開発課の同僚たちと参加することになりました。「これは、またとないチャンス!」と思い、カスカス産ブドウの認知度向上と顧客発掘を目的にリマに乗り込みました。

フェリアは、3万人もの来場者が集まる南米最大級の規模で、世界中からバイヤーが訪れ、連日にぎわっていました。私たちグランチムー郡役所チームは、一村一品を扱うブースの一角に展示スペースを設け、カスカス産ブドウやワインの宣伝をしました。

これまで日本企業の社員として展示会などのイベントには多く携わってきましたが、日本での熱気に勝るとも劣らない雰囲気の中、バイヤーも出展側も商売の種を本気で探す真剣勝負の場です。価格や安定供給の有無、品質など、ぐっと核心に迫る質問も多く受け、学ぶことだらけの3日間でした。期間中に100人以上と名刺交換でき、ブドウ栽培を見学したいという顧客とも出会い、観光の面でもビジネスチャンスがあると気付けました。

また、同じ一村一品ブースで出展した別のグループとの意見交換でも大きな収穫がありました。特にカスカスはカタログやチラシといった基本的な販促ツールの整備ができていなかったため、フェリア終了後、同僚や上司と販促ツールを整備するプロジェクトに取りかかることになりました。

マチュピチュ、ナスカ、チチカカ湖など外国人にとっての有名な観光資源はペルー南部に集中し、ペルー北部は見落とされがちです。しかし、北部ペルーにはマンゴーやカカオなどの名産品があり、クントゥルワシ、チャチャポヤス、チムーなどの文化で育まれた重要な遺跡も点在しています。

マーケティングはすぐに結果が出るものではないですが、カスカスそして北部ペルーを元気に盛り上げるため、この展示会で得たヒントを基に、継続的に同僚と試行錯誤していきたいと考えています。日本のスーパーにカスカス産ブドウやワインが並ぶ日を夢見て。

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カスカス町の中心部にあるアルマス広場

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ブドウは年中収穫可能。たわわに実っていて、おいしいです

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出展ブースでは、展示用ブドウのお手入れからスタート


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ひっきりなしに訪れる国内外のバイヤーとの商談

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ペルー各地の名産品が並ぶ、一村一品ブース

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ブースの仲間たちと(中央が筆者)


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