ペルーの首都リマ周辺、中小企業の体質強化活動への支援

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

ペルーの面積は約128万平方キロメートル(日本の約3.4倍)、人口は約3,047万人(日本の約4分の1)です。公用語はスペイン語ですが、山岳地域ではケチュア語またはアイマラ語を使います。

私が住んでいるリマ市の人口は約900万人と、全人口の約30パーセントが集中しています。これは、国土の60パーセントがアマゾン熱帯雨林地域(セルバ地域)、20パーセントがアンデス山脈(シエラ地域)残りの20パーセントが海岸地帯(コスタ地域)で、人が住みやすい海岸地域に人口が集中することが要因と思われます。

また、遺跡も多く発見され見どころの多い国です。個人的には、ペルー北部にあり、北のマチュピチュとも称される「チャチャポヤス文化」の遺跡を推薦します。

さて、そんなペルー国内にある企業の総数は、16万1,887社です。零細企業が94.4パーセント、小企業が4.6パーセントを占めています。中規模な企業を加えると全体の99.2パーセントにもなり、中小零細企業の体質改善が、働く労働者の生活水準の向上につながると言っても過言ではありません。

私が派遣されているのは、リマ市にある生産省技術移転課です。ここの主な仕事は、中小零細企業に対して
a)技術・品質向上のための資金援助
b)体質強化活動への具体的な支援
を行うことです。

私は、b)項として、基本的な活動の「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)と改善」を柱に、各企業の特色に合わせた品質管理活動などを支援しています。

具体的には、体質改善活動を支援してほしい企業と、3~8ヵ月くらいの期間でコンサルティング契約を結び、カウンターパートである配属先の担当者と共に2週間に1回、その企業を訪問。同時に、カウンターパートのコンサルティング力の向上も支援します。

昨年は8社、今年は9社で、木工・靴・食品・衣服の製造会社です。規模は小さくとも、すべての企業が特色を持っており、支援活動内容もさまざまですが、原則として最初の活動は基本的な「5Sと改善」を行い、その後、企業の実態に合わせた品質管理活動などを選択し体質強化を図ります。

次に、活動を進める中で私自身が学んだことを紹介したいと思います。

靴の製造会社で、まず、必要・不要を区別する整理活動を開始したところ、材料も含め大量の不要物が一ヵ所に集められました。うち、1年以上使ってない物は処分するよう提案したところ、経営者も合意してくれました。

その後3ヵ月が経過しましたが、一向に不要物が減りません。確認すると、「今は使わないが、将来使う可能性がある」「市場で売ることができる物は残してある」とのこと。不要物を見ると、汚れていたり壊れかけていたり、さびていたりして、とても再使用・売却できるものではありません。

私は、喉まで「すべて捨てましょう」と出かかりました。しかし、資金力が弱い、または今後の仕事量の確保が不安定といった実態を考慮すると、「日本の常識がここでは非常識」と考えられると気が付き、ぐっと我慢。「それでは不要物は保管場所を決めて整理し保管しましょう」と提案しました。

すると、経営者と奥さんの顔が笑顔に変わりました。

文化や習慣の異なる国で、相手と同じ目線で会話することが、相手を尊重していることになります。また場合によっては、相手の行動をじっと我慢して観察することも必要です。

私がそうした姿勢で対応したことが伝わったから、二人が笑顔になったのです。

こんな簡単な、姿勢の転換が活動のスピードアップにつながりました。この時「あー、お互い同じ人間だな!」と痛感しました。ほかにも、ここに書くことができないほどたくさんの学びがあります。長いサラリーマン生活とは違った刺激をもらい、周りの人たちに、「ありがとう」と申し上げたい!

私の活動期間も残り少なくなってきましたが、日本に帰国後、私自身の残りの時間は、このペルーでの活動を通して学んだ「相手の目線で会話する」「状況によりガマンすることが解決につながる」の2点を念頭に置き、自分のできる活動で社会に少しでも貢献できればいいなと思っております。

ペルーの中小零細企業の経営者、ガンバレ!

【写真】

ペルー全体の地図と地域ごとの特徴

【写真】

ペルー国内の企業数

【写真】

訪問先で「作業を楽にする着眼点」を説明中(左が筆者)


【写真】

整理・整頓活動の説明

【写真】

カウンターパート向けに分析手法の講習会

Twitter Facebook はてなブックマーク メール