セントルシア、視覚障害の啓発活動-目隠しして歩き住民に気付き促す-

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カリブ海に浮かぶ小さな島国、セントルシアに赴任して、はや1年半が過ぎようとしている。私はコミュニティ開発を担う青年海外協力隊員として、セントルシア視覚障害者協会に配属され、視覚障害当事者の雇用促進支援、団体の資金集め、その他プロジェクトの調整業務に関わっている。

セントルシアではウオーキングイベントが盛んで、ほぼ毎月、どこかでイベントが開催されている。ほとんどのイベントが、啓発活動や非営利団体をサポートするもので、参加者一人当たり1,000円程度の登録料は各団体に寄付される仕組み。登録料を支払うと、当日着用するTシャツが支給されるほか、飲物などが無料で配布される。

先日、配属先の視覚障害者協会でも、視覚障害の啓発とファンドレイジング(資金調達)を目的に、初の試みであるウオーキングイベント「A Mile in My Shoes(私と一緒に1マイル)」を開催した。

私は、主にイベントの広報にかかわり、毎週土曜日に街で参加を呼びかけたり、国内の主要メディアにプレスリリースを送ったりした。その結果、早朝の開始にもかかわらず、当日は200人以上の参加者で賑わった。

このイベントがほかのイベントと大きな違うのは、「目隠しをすること」。参加者は二人一組になり、一人は目隠しをして、もう一人は歩行介助をして、約2キロの行程を歩くというものである。

まず、配属先の職員が、視覚障害者に対する歩行介助の方法の説明と、デモンストレーションを行った。私も現地の方とペアを組み、役を途中で交代して両方の立場を経験した。

実際に歩いてみると、視覚が閉ざされている分、ほかの感覚がさえ、運転が荒いドライバーの車の音や、整備されていないデコボコ道にとても強い恐怖を感じた。誘導しているときは、相手に常に周りの状況を分かりやすく伝え、言葉のかけ方や歩き方に気配りをした。主催関係者としては、参加者が戸惑いながらも、一歩一歩ゴールを目指して歩く姿が印象に残った。

ゴールした後は、ブラインドクリケットのデモンストレーションや視覚障害当事者によるスピーチが行われた。

今回、イベントに参加した人たちには、「視覚障害者がどのような立場に置かれているか」「どのような支援が必要か」を学んでもらえたと思う。今後、街で視覚障害者を見かけたときに「何かお手伝いできることはありますか?」と声をかけてくれることを願っている。

セントルシアの非営利活動法人は、寄付や募金に頼らざるを得ない状況の団体が多い。団体の認知度が向上することは、新たなスポンサーを獲得することや、団体が提供するサービスを必要とする人たちにとって大切な情報源となる。

配属先の視覚障害者協会は、ほかの団体と比べても非常に活発に活動しており、情報発信の意義は大きい。職員が自ら頻繁に情報発信することができるような支援を、残りの任期でも実施したいと考えている。

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街でイベント参加の呼びかけ

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協会代表のあいさつ

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100組を超えるペアがウオーキング


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目隠しをした筆者(左)とパートナー

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ブラインドクリケット

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主催者の協会職員


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