ごみ拾いを通して、ポイ捨てについて考えよう-セントルシアの美しい大自然を守れ-

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東カリブ海に浮かぶ島国セントルシアの赤十字社に、青少年活動隊員として赴任し、1年9ヵ月が過ぎた。

赴任当初より、海や熱帯雨林など大自然の美しさに魅了されればされるほど、道路脇、歩道、ビーチなどに散らかるごみのポイ捨ての多さが目につき、問題意識を抱くようになった。

ビーチ清掃員を抱える団体や地域のボランティアによるごみ拾い活動などはあるものの、実施頻度や人数・団体の少なさ、対応能力を上回るポイ捨ての多さが相まって、自治体や関係団体も苦慮しているというのが現状である。

少しでも改善に貢献したいという思いから、赴任して1年目に、隊員、JICA関係者、セントルシアの元JICA研修員の方々に声掛けをし、気軽に始めたごみ拾い。以来、毎月第3土曜日の朝7時から2時間、最も人口が集中している島の北部地区の幹線道路沿いの歩道を中心に実施している。

ポイ捨て禁止の意識を広く浸透させるためには、現地の若者にメッセージを発信することが欠かせない。活動上、小・中等学校18校、約400人の児童・生徒と日々かかわっているので、このネットワークを生かそうと考えた。

しかしながら、青少年赤十字クラブへの毎月の呼び掛けも空しく、約半年間、参加者数がなかなか伸びない状況が続いた。「現地の若者を巻き込むこと」「関心を呼び起こすこと」「当事者意識を持ってもらうこと」の難しさを感じたものであった。

ところが、今年2月に、「持続的開発省」主催のごみ拾い活動への合同参加を促したときのこと。ある中等学校の青少年赤十字クラブの顧問が、一緒に活動したいと申し出てきたのである。興味を持ってもらえたことが率直にうれしかった。

当日は青少年赤十字クラブから7人が参加。イグアナやウミガメなどの保護の観点から重要な大西洋沿岸の砂浜で、産卵の妨げとなる流木や海藻などの撤去とごみ拾いに汗を流した。

生徒たちから、「ごみ拾い、楽しかった」「きれいになると気持ちいい」という感想を聞くと私も意欲を取り戻し、もっと生徒を巻き込めるよう工夫したいと、気持ちを新たにすることができた。

3月のごみ拾いから、事前に参加を呼び掛ける際のアプローチを変更し、毎月のターゲットを1校に絞ることにした。2ヵ月前に青少年赤十字クラブの顧問に話を入れ、1ヵ月前には校長あてに正式に依頼レターを出したことが功を奏し、小学校の児童19人と赤十字周辺の空地や道路脇のごみ拾い活動を実施。環境保護を身近に感じ、実践してもらう機会を持つことができた。

ゼロからのスタートは根気を必要とするが、軌道に乗り、現地の人々の反応が良くなってくると、活動の楽しさもどんどん増していく。振り返ってみると、計7回の実施で、延べ参加者数88人、152袋分のポイ捨てごみを回収することができた。引き続き地道に継続的な実施を図るとともに、一人でも多くの若者に環境保護を考える機会を提供し、そこからポイ捨て禁止の意識の輪が広がっていくことを期待している。

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隊員、JICA関係者らに声を掛け、開始した第1回

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よく参加してくれる元JICA研修員の方々

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そばを走る車のドライバーへの啓発にもなればと願いながら活動


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大西洋沿岸の砂浜では大量の流木も撤去

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第7回に参加した、青少年赤十字クラブ所属の小学生19人ら

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顧問の高い意識と保護者の手厚いサポートに、前途に光を感じた


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