ウルグアイで初の実施! 日本語能力試験(JLPT)

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

日本のほぼ対蹠地(たいせきち、地球の反対側)に当たるウルグアイで日本語教育に関わる活動をしています。南米で一、二を争う小国で日本語学習者数も少ないですが、日本や日本語に興味を持ってくれる人たちがいて、日本語教育に関わる者としては本当にうれしい限りです。

国際的に日本語レベルを証明する資格として、日本語能力試験(以下JLPT)があります。1984年、当初約7千人で始まった試験は、昨年初めて受験者数が100万人を突破し、海外76ヵ国226都市で開催されました。

残念ながら、これまでウルグアイでは試験は行われておらず、学習者が受験したい場合は隣国アルゼンチンまで行く必要がありました。旅費や宿泊代、受験費用を考えると1回の試験にかかる費用もかさんでしまいます。

ここでもJLPTが実施できないか。試験実施による学習者の意欲向上や、新たな学習者の増加も期待できるのではないか。

それにはまず、現地日本語教師との連携が不可欠だったため、2016年12月、初実施に向けて大使館や教師と一緒に実施委員会を立ち上げ、プロジェクトを開始させました。

新しいことを試みるのは簡単なことではありません。決して全員が最初からプラス思考だったわけではなく、実施申請に始まり、予算組みや仕事分担、会場選定と初めてのことだらけで不安に陥り、ネガティブに捉えているメンバーもいました。

「大変かもしれないけどやってみよう。きっとできる。」

メンバーが負担にならないようにと最初は率先して動いていましたが、試験前には積極的に関わってくれるメンバーやボランティア(協力者)も出てきて協力体制が整いました。
2017年12月3日、ウルグアイ第1回JLPT試験実施。

初年度の受験者数は91人、当日は欠席者、遅刻者、不正行為者ともにゼロで、試験監督員には大使館やJICA関係者、在住日本人の方にお手伝いをいただきました。大きなトラブルもなく無事開催できたことは今後につながる大きな一歩だと考えています。

実施後には受験者へのアンケートも行いました。計画性を称賛する声、感謝の言葉、自国で受験できてうれしかったなど、委員会メンバーもそれを聞いて大変喜び笑顔がこぼれ、「終わってみれば案外できるという印象」「学習者が喜んでくれたのでやって良かった」と、自信が生まれたようでした。
試験立ち上げに深く関われたこと、いろいろな人と協力し合えたこと、学習者たちの喜ぶ顔が見られたこと。ここでの貴重な経験に私自身が感謝すると共に、ウルグアイの日本語教育が今後も発展していくことを心から願っています。



(関連リンク)

各国における取り組み ウルグアイ

【写真】

ウルグアイでのJLPT試験実施の告知ポスター

【写真】

会場となる教室。ここで試験が行われました

【写真】

試験開始前の廊下での様子。受験者は受験票を持って名前が呼ばれるのを待っています


【写真】

N5受験教室。試験についての諸注意など、監督員と補助員が細かい説明を行います

【写真】

N4受験教室。監督員の説明に真剣な眼差しで耳を傾ける受験者。みんな少し緊張気味?

【写真】

文字語彙・文法読解試験が終わり、食堂でホっと一息。午後からは聴解試験です


Twitter Facebook はてなブックマーク メール