「Neneik neneik mais beibeik beibeik」、その意味とは…

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私は東ティモール国首都ディリ県の保健局に所属し、ヘルスプロモーションと栄養に関わる活動をしています。

「従来の一方通行なやり方ではなく住民参加型の栄養指導がしたい!」と、保健センターで働く栄養士の声から「デモクッキング」を実施しています。

現地に即したメニューの考案に、観光ホスピタリティ校で料理を教えているほかの協力隊員にお願いし、調理の指導者として実際に現場へ同行してもらいました。

最初は県内に6つある保健センターのうちの一つから始めましたが、他の保健センタースタッフにもトレーニングを行い、国際機関やNGOのイベントを絡めながら各地で実践してもらうことで、トレーニングで学んだ知識の定着と、デモクッキングを活用した栄養指導の波及を目指しました。

しかしながら、せっかくトレーニングで学んでも、何もしないとすぐに忘れてしまうのは国を問わず誰もが同じ。ある保健センターの栄養士もその一人。彼がデモクッキングを実践したという話は聞かないなぁ、はたして覚えているのかなぁと思い、ある日彼を訪ねた際にさりげなく話を振ってみました。

すると予想に反し、トレーニングで学んだ調理法を雄弁に語り始める彼。3ヵ月以上も前のトレーニングの内容よく覚えているねと私が驚くと、「だってこの前デモクッキングをやったばかりだからね」と写真を見せてくれる彼。その写真を見てさらに驚く私。

そこにはもう一人の栄養士と共に国連のイベントで、学んだ調理法を自分たちだけで再現し、参加者に料理を振る舞う姿がありました。

「大好評で、作ったお粥はすぐになくなったし、青年スポーツ省の大臣にも振る舞ったんだぜ」と、嬉しそうに話してくれる彼の笑顔は前よりも少し自信に満ちているような気がしました。

こうして現地の人たちが自分の知らないところで学んだことを実践し、それが知識として確実に定着しているのを目の当たりにすると、いつも一歩進んでは二歩下がり、はたして本当に前進しているのかと思いながら歩んできた2年間も全くの無駄でなかった、ゆっくり、ゆっくりとではあるけれど、少しずつ前に進んでいるのかなと感じることができます。

タイトルにある現地語は、帰国された先輩隊員さんが教えてくれた言葉で「ゆっくりでもいいから着実に」という意味があります。

ゆっくり一歩ずつでいいから、彼ら自身の足で着実にこれからも前へ進んで行ってほしいと願いながら、残りの限られた時間を彼らと共に活動していきます。




(関連リンク)

各国における取り組み 東ティモール

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国連のイベントでデモクッキングを披露した栄養士たち(写真左の男性と中央青いシャツの女性)

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保健センタースタッフへトレーニングを実施。協力してくれた榮元隊員(前列右から2人目、職種:料理)が調理指導を行った

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デモクッキングに巻き込んだNGOスタッフ(写真右の女性)は、その調理法を習得し現在自身の活動に取り入れています


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毎日料理を作るお母さんたちに味わってもらい、学んでもらうことが大切です

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コミュニティの人へ直接調理指導をする榮元隊員

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離島での巡回診療時にデモクッキングを実施。お味はいかに…?


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