継続の挑戦 「できない」から「できる」へ

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「琴美、la bele!(ラ・ベレ!)」。「la bele」とは東ティモールの現地語で「できない」という意味である。赴任当初、ほとんどの生徒たちから聞く言葉であった。現在、私は東ティモールのアイレウという村の高校で体育を教えている。アイレウの人々は運動好きだが、やったことのない運動に対しては、みんな口をそろえて「la bele」と即答して挑戦しようとしない。

私は、体育授業を通して、継続や努力をすることの大切さを学んでほしかったため、どうしても彼らのこの意識を変えたかった。特に体育は「できる、できない」が視覚的にもはっきりしてしまうため、できないと思ったら挑戦しないことが多い。加えて、できない人を見て大爆笑する傾向があるため、挑戦する気力がなくなってしまう生徒が多いという印象が強かった。日本でも同様であるが、できないと苦手意識を持つ傾向がある。

そこで、この1年間では彼らが挑戦したことのない運動を取り入れて、できなくても、練習を積み重ねることで「できる」という経験を積んでもらおうと試みた。

現地では道具が限られるため、例えば、自宅でも練習できる簡単な身体運動を指導し、午後には学校で自主練習時間を設け、最後にテストを行った。

当初は授業中に練習することは少なく、自主練習に足を運ぶ生徒もいないに等しい状況であったが、とにかく、「誰でも最初はできない!練習することが大切!」と耳にタコができるくらい言い続けてきた。その結果、この1年間で少しずつ変化してきたように思う。積極的に自主練習に参加したり、家でも練習したりする生徒の姿を見かけるようになった。授業中も各々が自分自身の課題に取り組める雰囲気ができてきたように感じている。

そしてなんと最終テストでは、側転が全くできなった生徒ができるようになっていたのだ。

ある日、生徒の言葉が「琴美、la bele!」から「琴美、bele ona!(ベレ・オナ!=できるようになった)」に変わっていた時の喜びを思い出すと、今でも胸が高なる。今後の未来を作り上げる彼らに少しでも希望を与えられたらと思う。頭を抱える日々であるが、生徒たちの成長が私を勇気づけている。



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