東ティモールでどっこいしょ

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日本から飛行機で南へ行くこと約12時間、日本の岩手県と同じくらいの小さな国、東ティモールが私の任地です。2002年に独立したアジアで最も若い国で、日本との時差はなく、きれいな海と空、一年を通して温暖な気候の、いわゆる「南国」といったこの国で、私は首都ディリにある私立高校で体育の教師をしています。
 
学校では、マンゴーを片手にランニングする生徒や、サンダルで学校に来て裸足で体育をする生徒など、無邪気で活気あふれる1年生~3年生全20クラスの体育の授業を、現地の先生と一緒に行っています。そんな驚きや発見の毎日の中、日本人の自分だからできる何か、例えば日本の文化や伝統を体育を通して生徒に伝えたいと思うようになりました。

そこで思いついたのが、「南中ソーラン節」(注)。それまで、私自身が東ティモールで何度か披露していたこともあり、生徒たちに体育の一環として日本のことを伝えるのにちょうどいい!と思い、教えようと決めました。同時に、在東ティモール日本大使館で発表する機会をいただき、さらに同じ任地の学校で服飾を教える隊員とその生徒たちが法被を手作りしてくれることになり、ソーラン節が人と人をつなげる架け橋となっていきました。

さっそく現地の先生に相談し、「踊りたい人いる?」と各クラスに聞いて回り、自主的にやりたいと手を挙げた生徒を課外時間に集め、練習を行うことになりました。生徒が練習時間に遅れたり、練習に来なかったりすることは任期も1年半を過ぎていた私には想定内でしたが、なかなか生徒全員がそろわない状況に不安といら立ちが募っていました。しかしそれは、生徒一人一人と真剣に向き合っているからこそ生まれた気持ちでした。これまで、何かをやろうとしては立ち消えることを繰り返したり、最終的には現地の先生任せだったりしているうちに、「ボランティアだし」や「どうせ」といった中途半端な気持ちが本来の目的を邪魔していました。

本番当日、これまでの不安や苦労はすべて消え、顔つきの変わった生徒が「うまくいった」「別の場所でも踊ろう」と喜んでいる姿を見て涙が出ました。やってよかったと心から思いました。今は、これまでの人生で出会えた人、これからの人生で出会える人が自分を変え、成長させてくれることに感謝したいと思っています。

(注)1986年に北海道稚内市の市立稚内南中学校の文化活動の一環として、教師と生徒によって考案されたソーラン節をアレンジした踊り(公式ウェブサイトより)



(関連リンク)

各国における取り組み 東ティモール

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首都ディリにあるクリストレイというビーチとキリスト像

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自分たちの踊りをチェック!

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学校が休みの日も練習! 撮影を手伝ってくれた同僚


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在東ティモール日本大使館での発表後の1枚

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法被を作ってくれた学校の生徒たちと交流会

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みんなで作った大漁旗


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