「空気を読む」人

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首都ディリからフェリーで3時間のところにあるアタウロ島は、人口8,000人の島です。週末になるとティモール人や観光客で港はにぎわいます。港から離れると、どこまでも続く一本道。静かでのんびりとした場所です。

私は首都ディリで活動し、「インクルーシブアクティビティ」(ジェンダーや障害の有無など関係なく、すべての人がともにできる活動)が広まるようにワークショップを開催しています。今回は、アタウロ島で実施されたインクルーシブアクティビティへの参加を通して感じた、障害者の生活のある部分について紹介します。

私は協力隊の先輩隊員の配属先である障害者就労支援施設に、絵画製作と地域の子どもとボールで遊ぶ活動のお手伝いをしに行きました。施設で働くスタッフは8人、うち聴覚障害者は6人。当初私は手話でのコニュニケーションが始まると思っていました。

しかし、いっこうに始まらない。もちろん手話を使って会話もしていますが、それを使わなくても、彼らは「空気を読んで」いました。自分が何をするべきなのか、何をするべきではないのか、相手をよく見て行動していました。

アタウロ島では手話を習うためにはディリまで行く必要があります。するとディリに滞在する費用が必要になります。聴覚障害者の6人のスタッフの中で、手話を習ったのは2人。そんな彼らが地域で家族と生活するために「空気を読む」、つまり人をよく見て状況を考えることが必要になったのではないか、と感じました。

屋外での活動中、ボール遊びを通じて彼らスタッフが子どもたちと楽しそうに笑い合っていました。その様子を遠くからのぞく大人たち。そこには、健常者と障害者の違いはなく、ただ一緒に楽しんでいる地域の人たちの姿がありました。今後、さまざまな活動を通して、地域で「すべての人」が互いに理解できるような、楽しめるような機会をつくっていきたいと思います。活動で製作した絵画作品は「パラリンアート世界大会2018」に出品し、見事、東ティモールの作品が8月末に日本の有名ホテルで展示されました。少しでもの多くの方に見ていただければ、と思います。



(関連リンク)

各国における取り組み 東ティモール

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アタウロ島ベロイの港

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港から離れると静かな一本道が続く

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先輩隊員が手話でスタッフに活動を説明


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施設の前で絵画作品を持って集合写真

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地元の子どもたちにボール遊びを説明

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ボール遊びの様子


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