2,345人の大家族

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私は東ティモール第2の都市、バウカウ県で活動しています。中心部を離れると草原、田畑、山林、青く輝く海のある風光明媚な地域です。私はここにある農業関連の職業訓練を行うNGOで活動しながら、配属先近くの村でホームステイをして生活しています。

東ティモールは、2002年に21世紀初の独立国となりました。ティモール島は、もともと「リウライ」と呼ばれた王たちが割拠する王国だったこともあり、現在でも地域により言語や風習の違いがあるなど、村社会を色濃く残している場所があります。そのような魅力的な村で生活する中で、日本とは異なる文化に驚いた経験を紹介します。

「どこへ行っても、誰と会っても、家族ばかり」。まず驚いたのが、出会う人みんなが私のホストファミリーと、親戚だということです。例えば、配属先の同僚で村出身の人は、全員が親族でした。最初は偶然かと思っていましたが、あまりにも親戚ばかりなので、不思議に思ってホストファミリーに尋ねてみました。

なんと、村に住む人全員が親戚だと言うのです。この村はそんなに大きくありませんが、2015年の統計では世帯数370戸、人口2,345人です。それが全員親戚だとは。

もともと東ティモールは多産が慣習で、兄弟が10人以上いるという人もいます。その一人一人が結婚してまた親戚が増えていくということを繰り返した末、みんなが親戚、家族になっていったのだそうです。

また、東ティモールではカトリック教徒が大多数であり、伝統行事には数千人の親戚が一堂に会すことになります。こういった行事は、東ティモールの人々にとって非常に重要なものです。数日間の行事のために主催者は1年以上も前から準備を始め、参加者も貴重な財産である牛、馬、現金などを持ち寄ります。私も一度見せてもらったのですが、その規模の大きさに圧倒されました。

東ティモールの家族との生活を通して、私は身近にいる人を思いやること、助け合うことの大切さをあらためて学びました。今後、発展していけば暮らし方も少しずつ変化していくと思いますが、彼らの根幹にある温かい心はそのままであってほしいです。



(関連リンク)

各国における取り組み 東ティモール

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風光明媚な村の風景

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独立記念日のイベント。お祭りのような雰囲気

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ホームステイ先の家族と


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伝統行事。棺を押し合いながらお墓へ向かう

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配属先での農業訓練

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