とりあえず「やる」!

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私は、首都ディリにある東ティモール唯一の国立リハビリテーションセンターで理学療法士として働いています。理学療法士 3 名、アシスタント 3 名で患者さんの診療を行っています。

そんな中、治療ベッドや道具が全く掃除されていないことに気付きました。東ティモールは感染症が多い国です。同僚に「患者さんが使ったベッドをそのまま使うと、ほかの人にうつることもあって危険だよ。ほかの患者さんや自分たちにうつさないためにも一緒に掃除をしない?」と言っても、「問題ないよ」と必要性を感じていないようでした。

日本では定期的に掃除が行われます。配属先のセンターでも掃除が習慣になればと考えました。「やりたくないこと」でも行動してみることで「行動したいこと」にシフトし、そこに「正のイメージ」が結び付くことで「習慣」になっていくそうです。そこで、アシスタントに手伝いを依頼し、毎日掃除をすることにしました。

しかし、徐々に私とアシスタントとの間がギクシャクし始めました。東ティモールは縦社会です。アシスタントより後に入ってきた新参者で、しかもまだ現地語のテトゥン語で細かいことまで説明できない私が指示している態度が反感を買ってしまったようです。掃除の定期的な実施だけを重視し、信頼関係もまだ十分に築けていないアシスタントに掃除を強要してしまっていました。私は同じ目線で働くことを意識していたつもりでしたが、気付かないうちに上から目線で活動してしまっていたのです。

そこで、勤務歴が最も長いアシスタントに相談し、ほかのアシスタントに十分な説明をしてもらった上で、自ら率先して掃除するようにしました。その頃からアシスタントとの関係性が良好になっていったように思います。また、リハビリスタッフには妊婦が多く、自然と「赤ちゃんの健康のためにも掃除が大切だ」と、感染予防への意識も高まっていったようです。次第にアシスタントのみで掃除が実施されるようになり、掃除は継続して行われています。

筆者は現職参加[所属先:医療法人社団高邦会 福岡山王病院]



(関連リンク)

各国における取り組み 東ティモール

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普段のリハビリ風景

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普段のリハビリ風景

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アシスタントによる掃除の実施


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アシスタントによる掃除の実施

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以前の診療後のベッド。使った道具がそのままのことが多かった

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現在の診療後のベッド。診療ごとに道具の片付けが行われている


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