トレッキングでモンゴルの雄大な自然を実感

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モンゴルの首都ウランバートルの人口はおよそ137万人で、国の人口の半数近くが集中している。そのうち約80万人が水道や下水道が整備されていない地区で、バラック住宅や木製の骨組みにテントをかけた「ゲル」といわれる住宅に住んでおり、地元ではゲル地区と呼んでいる。遊牧民や地方居住者が都会に職を求めて移り住んできたためで、冬は石炭で暖をとることから、大気汚染は深刻である。

JICAでは、2010年からモンゴル政府の要請を受けて都市開発能力向上プロジェクトとして、ゲル地区住民が安心して快適な生活ができるように再開発事業を支援してきており、私も専門家としてこの支援に携わっている。

ウランバートルは、年間降水量が約280ミリと東京のおおよそ5分の1、一番寒い1月の平均気温は氷点下21.7度(注)と低く、世界で一番寒い首都と言われている。一方、7~8月の夏には、最高気温が30度を超えることもあり、典型的な大陸性気候である。

また、モンゴルの国土面積は日本の4倍と広い一方で、人口は40分の1。とにかく雄大な景色が広がっている。冬の寒さが厳しいせいもあり、長い休暇を取って避暑地や田舎に出かけていく。晴天の日が多いため、日差しは日本より相当強く感じられる。モンゴルには海がないことから、涼を求めて多くの人が近くの川辺や、遠くにある湖に出かけ、短い夏を楽しんでいる。

このように、モンゴル人は自然の中でのリフレッシュや、家族や仲間と楽しい時間を持つことが好きなようである。

私のリフレッシュ方法は、週末にトレッキング仲間とウランバートル周辺の山歩きを楽しむこと。ここでのトレッキングは、真夏を除く9月から翌年の6月ごろがベストシーズン。赴任して間もない2014年の10月から始め、氷点下30度の中を歩いたこともある。歩いている時は寒さも気にならないが、休憩時には一気に体が冷えるし、日没後の寒さは半端ではない。手袋をはずして食事をしていたら軽い凍傷にかかってしまった。

楽しみは、各自持参している温かい塩味のミルクティーを飲みながら皆で昼食を食べること。モンゴル人の1回の食事量は、間違いなく日本人よりも多い。大きな弁当箱を各自が持参し、誰が持ってきたものでも区別なく食べる。塩で味付けした肉と野菜で作るモンゴルスープや馬の乳を発酵させて作った馬乳酒も、山で味わうと格段にうまい。

ウランバートル周辺はなだらかな山が多く、降水量が少ないため樹木が成長できないことから見通しも良く、日中であれば道に迷う心配もない。さらに良くも悪くも日本人より時間の流れがゆったりしていることもあってか、夜中の12時過ぎに歌を歌いながら平然と下山してきたのには驚いた。

また、モンゴルでは山に神様が住んでいるといわれ、山の頂には円すい形に石を積み上げた祭壇「オボー」というものがある。総じて日本人よりも信心深く、山頂に着くと全員がそのオボーの周りを右回りに回り、持ってきたお酒や牛乳をかけて家内安全や交通安全を祈願している。

こちらでは、大草原で馬に乗ることが観光の定番となっているが、健脚の方はトレッキングでモンゴルの雄大な自然を実感するのもお勧めである。

(注)日本の気象庁発表の平年値による

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ウランバートル近郊にある国立公園テレルジ

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初冬のトレッキング

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オボーの前で


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無事山頂に到着

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モンゴルスープを調理中

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