国際協力とは、「自分の考えを他者に押し付けない」ということ-モンゴルの子どもたちの部活動-

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「明日の最高気温はマイナス30度です」という天気予報を皆さんは耳にしたことがあるでしょうか。

日本では考えられないような厳しい環境の中でモンゴルの人々は暮らしています。今回はそんなモンゴル人たちと共に行ってきた活動の1つをご紹介したいと思います。

モンゴル人の生活は助け合いによって成り立っていますが、生活とスポーツとでは全く別です。私は小学生、中学生、高校生のバレーボールの部活動の指導をしていますが、子どもたちには、バレーボールを通して「全員がチームのために考え、行動し、目的を達成することの喜び」を学んでほしいと考えています。

そのためには、毎回の練習に必ず参加しなければなりませんが、子どもたち全員がそろうことはほとんどありません。しかし、その理由は単なるサボりではありません。「弟妹の世話」や「家事」「勉強」など、子どもたちにはさまざまな事情があります。部活動とは、余暇時間がなければ成立しないものです。

では、余暇の時間がない子どもたちが部活動に参加するにはどうすればいいのか。子どもたちと一緒に、自分たちの生活におけるバレーボールの位置づけとその優先順位について話し合いました。

「勉強は練習が終わった後でもできるけど、テスト前は練習を休みたい」「しなければならない家事があるなら、前日にしておけばいい」そして「練習に遅刻する、休むのなら必ず誰かに連絡しよう」と決めました。これは私が子どもたちに「○○しなさい」と求めたものではありません。子どもたちが自分で考え、自分たちで出した答えです。

その後も練習への参加率は低いままです。しかし、お互いに注意し合う、確認し合う場面が見られるようになりました。今までバラバラだった子どもたちが、チームのルールを意識し始めたのです。これにより、チームの雰囲気や練習の内容も1つ高いレベルで行うことが可能となり、少しずつですが結果も出せるようになってきました。

私が赴任してから間もないころは、「どうして言うことを聞いてくれないのだろう」「どうして理解してくれないのだろう」と、まるですべて自分が正しいかのように考えていました。しかし、自分にとって正しいことが他者にとっても正しいこととは限りません。そして、モンゴルにはモンゴルの文化や考え方、常識があります。それを知らずして、どうしてモンゴルで活動することができるでしょうか。

国際協力とは、立場的に優位なものが一方的に指示や批判をするのではく、まずは自らが対象者の生活環境やどのような考えを持っているのかを把握し、お互いの妥協点を見つけていくことが重要であると感じています。

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「良いチームとは」を話し合う子どもたち

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3ヵ月ごとに行っている体力テスト

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早朝練習の走り込み


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夏休みには子どもたちと登山

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自宅で日本食パーティー

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自宅で試合の動画を見ながら自分たちのチームを分析


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