モンゴルでの余暇の過ごし方

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幼い頃、小学校の運動会で、ロープにつながれた赤色や黄色の万国旗の向こうに広がる空を見て、その青さに感動したときのことを思い出した。今、見上げると、深みのある青く澄み渡ったモンゴルの空が眼前に広がっている。

冬には最低気温がマイナス40度近くまで下がることもある極寒の地モンゴル。心待ちにしていた短い夏が始まる2017年6月、ウランバートルから北に300km離れたところにあるセレンゲ県を家族と共に訪れた。

「お父さん、早くこっちへ来て」。妻と娘が私の方を見て手招きをする。家族が座っている少し低い岩の方へ行こうとするが、高所恐怖症気味の私は、高い方の岩に体を支えるようにして両手を置いて、恐る恐る大きな岩と岩の間にある細い割れ目をやっとのことでまたいだ。周りは、週末の外出を楽しむ多くの家族連れでにぎわっている。

ここは、サイフニ・フトゥルという山で、展望スポットの岩の崖の上に立つと、眼下に広がるセレンゲ川の流れとロシアとの国境につながる山々の雄大な景色を一望できる。景色を眺めているととても清々しい気持ちになる。セレンゲ川は、全長が信濃川の3倍の992kmで、国境を越えて、世界最大の貯水量を誇るロシアのバイカル湖へ注ぐ。

セレンゲ川とオーホン川が合流するポイントを間近に見ることもできた。人が早歩きするのと同じくらいの速度で大量の川の水がゆったりと北の方角へ流れていく。周辺には草木の緑だけが見え、聞こえるのは水の静かな流れの音と風の音だけ。頭上からは夏の太陽が強烈に照りつける。おそらく何万年も何十万年も続いている景色なのだろうと想像し、悠久の時の流れを感じることができたような気がした。

10kmほど離れた場所にモンゴルの遊牧民の移動式住居「ゲル」を使った宿泊施設があり、そこで一泊した。夕食は、同行してくれたモンゴル人のレンツさんファミリーが羊肉の石焼き料理「ホルホグ」をご馳走してくれた。味付けは塩だけ。羊肉は少し硬いけれども、噛めば噛むほど味が出て、とてもおいしい。

夜も更けて、ゲルの外は、林の木々の間を冷たい風が通り抜けて急激に気温が下がる。近くで集めてきた木々の枝を薪として簡易式ストーブにくべて部屋を暖める。おいしい料理を囲んで、酒を酌み交わしながら、話が盛り上がる。

「モンゴルの地方にはあまりリクリエーションがないから、休日には、こうして山や川に行ったり、自然の中でキャンプをしたりして、楽しむんですよ」。お酒で少し顔が赤くなったファミリーの一人が言った。なんと優雅でそして素敵な余暇の過ごし方なのだろう、そう思った。

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ロシアへと続く山々とセレンゲ川を一望

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サイフニ・フトゥル山の展望スポットで写真撮影

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セレンゲ川とオーホン川の合流ポイント


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移動式住居「ゲル」に宿泊

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できたての羊肉の石焼き料理「ホルホグ」

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いただきます!


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