ミャンマーの雨期、抜本的な治水対策が課題

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配属先である農業畜産灌漑(かんがい)省の灌漑技術センターは、ヤンゴンから車で東へ2時間のバゴーという中核都市にあります。

2016年のミャンマーは、エルニーニョの影響で4、5月は連日40度超えとかなり暑い日が続いていました。しかし、5月20日ごろから夕立のような断続的な雨が降るようになり、気温が一気に10度程下がってかなり過ごしやすくなりました。その後雨の日が多くなり、6月中旬には、バゴーの市街中心部を流れるバゴー川は増水し、危険水位にまで達するようになりました。

所属する灌漑水利用局では、灌漑施設以外に、排水路や河川堤防の維持管理も業務に含まれています。私が職員の現地視察に同行した際、一部低地は浸水した状況でしたが、職員曰くこれは毎年のことだとのことでした。

バゴー市街には、河川東部にある旧市街地を守るため、英国植民地時代に市街北側に洪水緩衝地帯を、河川東側に部分的に堤防が設けられています。

一方で、緩衝地帯や河川西側には堤防がないので、河川が増水するとその辺りは浸水します。

政府はこの地域への居住を許可していないとのことですが、実際には多くの住民が住んでおり、雨期にどうなるかは十分知っていて、なおかつ何らかの理由で住んでいるということのようです。

昨年ミャンマーでは、全国的に洪水被害が出ました。バゴーでも一部地域で被害が出て、多くの避難者はこの間、僧院などで凌いでいたそうです。今年はミャンマー最大のエーヤワディ川を中心に大きな洪水被害が出ていますが、これまでのところバゴー川付近では大きな被害はありません。

とは言っても、農地は湖のような状態になっているところがかなりあり、そのようなところでは雨期の農作物の栽培はできない状況となっています。

現場を担当する職員からは、「毎年、場当たり的な対応だけでなく、いいかげん抜本的な対策が必要だ」との声が上がっているところです。

ミャンマーでは、このように雨期になると市内、郊外、農地など多くの場所で浸水・冠水しています。しかし、さまざまな要因により政府や自治体の対策がなかなか追いつかず、人々は洪水や浸水と共存しているかのようにも見えます。

今後、ミャンマーの治水対策が進むことで、土地利用の改善や農業生産の向上が期待されるため、微力ながら今後の活動で支援していきたいと思います。

【写真】

ヤンゴン~バゴー間をバゴー川と並走する鉄道の車窓からの景色

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堤防のないバゴー川西側低地。増水のため、流入する支流も増水し低地は浸水

【写真】

本来は、家屋の手前までがバゴー川に流入する運河。雨で、家屋後ろの農地も湖のように


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