アユボワン、スリランカ!

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私は栃木県にある宇都宮大学の国際学部に所属しています。2016年9月5日から23日までの三週間、JICAスリランカ事務所にてインターンをし、広報に係る業務補佐を経験させていただきました。

私の主な業務内容は(1)北東部における社会調査、(2)プレスカンファレンス・プレスツアーの運営、(3)メディア関係者へのアンケート調査、(4)前述の三つを通じ、スリランカ国内における広報活動についての提言、の4つでした。

初めての途上国スリランカ
スリランカは、私にとって初めての開発途上国でした。そのため飛行機搭乗時に「アユボワン(シンハラ語で「こんにちは」)」と挨拶された時から、自分の中に不安が広がっていくのを感じました。
 
とはいえ、事務所のあるコロンボは、高層ビルが立ち並び、開発途上国であることを忘れるくらい発展しています。しかし、都市圏を離れ社会調査のために北東部へ赴いて初めて、紙のないトイレ、水シャワー、宿泊先の部屋で出会うヤモリや昆虫など、いわゆる途上国というものの実情、そして開発の現場の空気をわずかながらに知ることができたと思います。

スリランカ北東部は、内戦中「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」の拠点が置かれたこともあり、紛争の影響を色濃く受けた地域です。そこで骨が浮き出るくらいにやせ細った家畜を見た時の衝撃はとても大きなものでした。まだまだ支援が必要であることを改めて感じさせられました。

町中には紛争時に倒された給水塔が未だに残っているなど、戦争の爪痕こそ残ってはいましたが、一方で住民の笑顔と楽器の音色、のどかな雰囲気が流れており、地元の人々の力強さを、その復興の様子から感じることができました。

異文化の中で業務を進める難しさ
スリランカという異国の地でのインターンは、言葉が通じないこと、日本で「NO」を意味する「首を振る」行為がスリランカでは「YES」を意味すること、質問に対してこちらの意図通りに回答してもらえないことなど、多くの文化の違いを乗り越える必要がありました。さらに、交通事情や食生活、衛生環境など、あらゆる面で日本と異なる環境での生活を経験して、「海外で働くこと」がいかに難しく、英語が話せるだけでは務まらないかを実感しました。

先入観にとらわれないことの大切さ
今回の市民及びメディア関係者対象の調査を通して、JICAという名前が市民に浸透していないことに驚きました。私は今回、市民がJICAを知っているという先入観にとらわれてしまい、社会調査を円滑に進められないことがあったため、JICAを知らない人々への、広報という側面からのアプローチが非常に難しいことを痛感しました。広報に限らず、ひとつの業務を進める際は、前提条件が妥当であるかどうかを明確にする必要があることを学びました。

ささやかながらスリランカでの広報へ提言を行った身として、いつかスリランカ国内で「アユボワン、日本の方!日本といえばJICAだよね」といった声が聞ける日が来ることを楽しみにしています。

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北東部での移動中に撮影したやせ細った家畜の牛

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紛争中は激戦地だったキリノッチの現在の様子

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メディアツアーでの事業視察にて、協力隊員の指導の様子


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