「協働」の形を探して-防災教育イベントに参加して-

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国土が北海道の8割程度の小さな島国、スリランカ。コロンボやゴールなどの南部の都市を中心に観光開発が進み、高層ビルやリゾートホテルが林立する街並みとは打って変わって、牛が道路を優雅に歩き、高層ビルどころか2階建ての建物すら見当たらない私の任地、北部の町キリノッチ。この南北の格差を生んだ大きな要因は、2009年まで約25年間続いた内戦です。キリノッチも内戦からの復興のために、JICAやユニセフ、NGOなどさまざまな機関から多くの支援を受けています。

そんなキリノッチに私が赴任して間もないころ、配属先である教育事務所の上司に言われました。

「君は何をくれるの?」

教育事務所の職員と協力して、キリノッチの教育を改善していくために私が派遣されたのではないのか・・・。この言葉が悔しくて、配属から半年、とにかく「できることをやろう」と頑張っていますが、いまだに「協働」の形は見えていない状況です。

そんな悶々とした日々の中、スリランカの内陸部に位置するラトナプラ県で行われた防災教育イベントに、運営補助として参加しました。昨年に続き2回目の開催となるこの防災教育イベントを開催したのは、地滑り災害のリスクが高いランホティカンダ村の学校。昨年は協力隊員が主体となって実施しましたが、今年は違いました。村の防災委員会に加え、防災や土砂災害を管轄する中央政府の災害管理センターや国家建築研究所とJICAが共同し、子どもたちを対象にワークショップを行ったのです。

私自身、地滑りの専門的な知識はありませんし、私の任地とは言語も違うため、内容はあまり理解できませんでした。それでも、とても生き生きと子どもたちに語りかけるスリランカ人専門家と、それを熱心に聞く子どもたちの、どちらも印象的でした。

ワークショップの中盤、4つのグループに分かれ、村の地滑りの歴史を学ぶためのディスカッションがありました。各グループを回りながら見ていると、専門家として携わる東洋大学の松丸亮教授が、「この活動が防災教育のメーンだよ。この時間をどうしても取りたかったんだ」と教えてくれました。

ふと自分の活動を振り返ると、配属先の職員も、長年その地の教育に携わっている現地の「教育のプロ」なのに、「教えなければ」という気持ちが先走り、教えようとばかりしていたのではないかと気付きました。一緒に作り上げるためには、相手からも学び、時には相手に委ね見守ることも必要なのでは、と思い至りました。

今回のイベントは、自分に専門的な知識がないからこそ、真っさらな心で見ることができ、大切なことに気付くことができた気がします。言葉の壁はあるものの、「教育の質の向上」という同じ目標に向かって現地の方々と「協働」できるよう、自身の姿勢を見つめ直し、また頑張っていきたいと胸に誓いました。

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地滑りの専門家ササンカさんの話を熱心に聞く子どもたち

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頭と体のリフレッシュに、みんなでラジオ体操も

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グループディスカッション


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ガンバ大阪の元キャプテン、木場昌雄さんが、地震の被災経験を語る

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イベント後は、木場さんとサッカーを楽しみました

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松丸教授とJICAスタッフ、運営補助をした協力隊員


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