Pluwan!スリランカで土砂災害の被害を減らすための一歩

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「Pluwan」はスリランカで話されているシンハラ語で、「できる」という意味の言葉です。「Pluwanda?(できますか?)」「Pluwan!(できます!)」というポジティブなやり取りを、日本人とスリランカ人が多く交わしているプロジェクト現場があります。それは、「土砂災害対策強化プロジェクト(Technical Cooperation for Landslide Mitigation Project:TCLMP)」という、名前の通り土砂災害の対策を強化するためのプロジェクトです。

スリランカでは多くの土砂災害が発生し、尊い命が失われています。豪雨の影響により今年5月に発生したアラナヤケの土砂災害では、残念ながら、死者・行方不明者合わせて約130人の方が犠牲になっています。

TCLMPは、スリランカにおいて土砂災害分析、対策を担う政府機関、国家建築研究所(NBRO)に対し、日本の技術を生かした協力を行うことで、土砂災害の被害を減らそうとしています。

スリランカでは、土砂災害の危険がある地域を示すハザードマップの精度が不十分で、適切に活用されていません。また、ひとたび災害が起こった際の早期警報や、起こってしまった後の二次災害への警戒がうまくなされていないという課題があります。

例えば、前述したアラナヤケでは、一度地すべりが起こった後、少し時間をおいて二次災害が発生し、被害が拡大してしまいました。

これらの課題を克服するため、TCLMPに長期専門家としてかかわる判田乾一専門家やコンサルタント専門家チームのメンバーが、NBROのスタッフ自身の気づきを尊重しながら解決策を探っています。

議論の最後に判田専門家がNBROのスタッフたちに「Pluwanda?」と問いかけると、返ってくるのは「Pluwan!」という明るい返事です。

ある日、土砂災害の被害が及ぶ可能性のある場所を、日本の表現に基づいて「イエローゾーン」と説明していたところ、それを聞いていたスリランカの方はぴんとこなかった、という場面がありました。

スリランカに限った話ではありませんが、異なる文化を持つ人々との間では「常識」や感覚がお互いに通じないことがあります。例えば、日本では「注意」を喚起する黄色は、スリランカでは「安全」をイメージする色です。

そのような状況の中、判田専門家をはじめとするTCLMP関係者は、スリランカの文化、国民性といった独自の文脈を大切にし、日本の技術をスリランカに適した形で取り入れ、土砂災害対策を進めようとしています。

スリランカの人々は時にはできると答えながらも何らかの理由でできず、がっかりしてしまうこともあります。人間ですから、ついできると言ってしまったけどできなかった、そんなこともあるでしょう。また、一度にすべての課題が解決するわけではありません。

それでも、小さな「Pluwan(できること)」を積み重ねながら、TCLMPを通してスリランカの土砂災害被害は減るだろうと信じています。



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土砂災害発生時、ヘリ調査を行った。前列右から二番目が判田専門家

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アラナヤケの災害現場をNBROと調査

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地図を片手にNBROのスタッフと土砂災害の発生経緯について議論


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NBROスタッフとTCLMPメンバーが集合

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