スリランカ橋梁建設現場で見た円借款

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私は、京都大学大学院工学研究科の防災研究所にある研究室で、地震時の液状化現象や斜面崩壊について学んでいます。2018年1月末より約1ヶ月間、JICAの円借款によって行われている「全国主要橋梁建設事業」に株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルの開発コンサルタント型インターンとして、スリランカを訪問しました。

スリランカでは、道路が旅客・貨物輸送の手段として9割を担い、国の経済社会活動において大きな役割を果たしていますが、橋梁の老朽化が問題となっています。そこで、緊急に補修や架替えが必要な橋がJICAの調査により選定され、主要国道における橋梁の架け替え、新規架橋を行うことで、道路輸送の円滑化を図り、経済成長の促進に寄与することが本プロジェクトの目的です。

プロジェクトは3つに分かれており、私はその一つに携わりました。主に「途上国における建設コンサルタントとしての施工監理技術の習得」を目的としたスリランカ北部の8橋梁建設です。海外での建設コンサルタントの仕事は、多岐にわたり、発注者の代理人として大きな責任を負います。企画立案から基本設計、詳細設計、工事の施工監理(品質管理、安全管理、工程監理)まで行います。中でも、私は施工監理に深く携わり、工事や材料は基準を十分満たしているか、建設現場の安全は徹底されているか、といった品質や安全の管理について重点的に注力しました。

熟練した日本人エンジニアから監理技術を学ぶのみならず、時に現地のエンジニアと同じ生活をし、現場に寄り添った施工監理技術を学びました。構造物のどこに気を配り、品質管理をするのか。工事に関わる人や機材を細かく観察してどう安全を保つか。途上国における施工監理技術の基礎を養うことができたと考えます。

インターンシップを通じ、スリランカに日本の技術やエンジニアとしての責任感を含めた考え方を伝える必要性があることや、その効果を現場で実感しました。また、その過程で施工監理の技術のみならず、エンジニアとしてのあるべき姿を明確化することができました。 さらに、日本企業を巻き込むことによる経済的、技術的といったハード面の意義だけでなく、現地エンジニアの教育というソフト面での意義も現場や関係者とのコミュニケーションを通じて実感し、円借款による社会インフラの開発の必要性をじかに考えることが出来ました。



(関連リンク)

各国における取り組み スリランカ

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日本人技師による技術指導の様子

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橋桁架設の様子

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改善指導前のコンクリート養生


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改善指導後のコンクリート養生(赤丸:水タンク)

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現地エンジニアのお宅での食事風景(左端:筆者)

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