スリランカ交通事情

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

私は、スリランカのコロンボから南に15キロほどのラトマラナという所にある職業訓練大学で自動制御技術を教えています。こちらに来てまず驚いたのは、日本と比べ交通事情が全く違うことで、少し身の危険さえ感じるほどです。

コロンボ周辺は大都市ということもあり、市民の乗り物はバス、鉄道、三輪タクシーなどがありますが、バスはお客が乗ると同時に走り出し、急発進、急加速、急ブレーキ、頻繁な車線変更などが日常です。自分の安全は自分で守るといった感じの運転です。しかし運賃は初乗りが日本円で10円くらいと驚くほど安く、便利な市民の足となっています。またバスには必ず車掌さんが乗っていて、客の呼び込み、乗車賃の受け取りをしているうえ、誰がどこで乗ってどこで降りるかまで記憶していて、私たち外国人には下車地点が近くなると親切に教えてくれることもあります。

また、この国は10年ほど前まで内戦があった影響もあり、手足を失った人、目の見えない人など障害がある人が多く、そのような人が物乞いをしたり、物を売りに来たり、歌を歌ったり、楽器を演奏したり、時として手品などをしたりして生活収入を得ているようです。仏教の教えのせいか、障害者に対して、偏見の目で見ず優しく手を差し伸べる文化があるようです。

鉄道は40年、50年前の物とも思える古い機関車を修理しては使い続けています。騒音や振動に加え、座席には穴が開いていて決して乗り心地がいいとはいえませんが、運賃が安いため利用する人が多く、通勤時間帯にはドアからはみ出して乗っている人の姿もよく見かけます。省力化や自動化はあまり進んでおらず、自動改札機はなく、駅員が切符を売るなどすべて人の手で処理しています。

現在、コロンボ市内では年々車の数が増え、交通渋滞がひどく、さらに都市開発が進んでいます。将来に向けて、公共交通機関の改善が必要とされる時期に差し掛かっているのではないかと感じています。一方で教育レベルが高く、無償で教育が受けられるので識字率も高く、優秀な人材もたくさんいると思われます。将来はこのような人たちが海外の先進技術、知識を学び、国の発展のために活躍できれば、10年、20年後にはアジアの先進国の仲間入りができるのではと期待しています。



(関連リンク)

各国における取り組み スリランカ

【写真】

通勤時間帯には車内に乗り切れない人がはみ出して乗車

【写真】

通行中の自動車をかき分けて走る三輪タクシー

【写真】

バスには必ず車掌さんがいて運賃を集めている


【写真】

列車の中でギター演奏をしている人

【写真】

列車内でピーナツなどを売る人

【写真】

列車内で物乞いをする人


Twitter Facebook はてなブックマーク メール