幼稚園での一日
シルクロードの国、ウズベキスタン北西部に位置するカラカルパクスタン共和国。首都ヌクス市の幼稚園に派遣されもうすぐ一年。楽しくてしかたがない「幼稚園での一日」を紹介します。
8:30 登園
配属されているボランティアは私1人。「カラ~イ?(おはよう、げんき?)」、数十人の子どもたちがいっせいに走り寄って来て、ハグ・頬にキスの洗礼です。
9:30 朝の体操
数字のカウント1,2,3,4をカラカルパク語、ウズベク語、ロシア語、英語などで進め、数字を覚える指導にもつなげています。
10:00 午前間食
カーシャ(ミルク粥)とノン(パン)を食べます。パンは、フランスパンをさらに焼いたような硬さなのですが、子どもたちはそのいちばん硬い部分を欲しがります。硬い部分がもらえると「ちょっとかっこいい」らしいのです。どこの国でも子ども社会でおもしろいこだわりがあるのですね。
10:30~12:00 授業
字を書く、算数、工作、粘土など、各年齢に合わせてクラス担任が授業を行います。その他、音楽、英語、運動は外部講師による授業です。この外部講師に私も含まれます。「新しい教育手法や遊びの紹介と就園率増加」を目指し、園のカリキュラムとして週3回の授業を担当しています。
・授業 その1「日本語」
季節のテーマに合わせた単語を1つ覚えます。例えば、大きな木から栗を取って食べるジェスチャークイズで「くり」という単語を当てるのです。最後に童謡「大きなくりの木の下で」を踊ります。子どもたちは注目されるのが大好きで、指名すると張り切って前に出て踊ってくれます。
・授業 その2「日本の遊び」
日本語授業のテーマに合わせ、日本の童謡、手遊び、折り紙など日本の文化をまじえて教えています。
・授業 その3「ヨガ」
ウズベキスタンでもヨガが流行し始めているようです。そこで、ヨガ講師の資格を生かし、日本の幼児教育で行われている「リトミック」を取り入れたオリジナル「キッズヨガ」を指導しています。最後は目を閉じて、心を落ち着かせることも大事と伝えています。
12:00 昼食
初めに、ショルパ(肉野菜のスープ)にパンをつけて食べます。次にグレチカ(蕎麦の実)、マッシュポテト、マカロニなどの日替わりメイン料理を食べます。
13:00~15:30 お昼寝、先生たちとのチャイ(お茶)の時間
各自のベッドがあるのですが、隣のベッドの友だちと遊んでは「寝なさーい!」と先生の声が繰り返されます。日本の保育所でのお昼寝の光景と似ていますね。
そして私は、先生たちとの楽しいチャイの時間。ウズベキスタンではお客様が自分に福を持って来てくれると言われており、大変歓迎されます。また、コミュニケーションを図っていく上で重要です。任地のチャイは生乳に紅茶の茶葉を入れて沸かした濃厚なミルクティーです。女子トークで盛り上がったり、悩み相談をしたり、授業の準備などをしています。言語を学べる貴重な時間でもあります。
チャイの時間終了とともに、その日の活動も終了。子どもたちは、16時の午後の間食のあと、各自降園となります。
活動後や休みの日は、民族楽器「ドゥタール」を習ったり、他職種隊員とランニング、KOICA(韓国国際協力団)の方々と交流、チャイ用のお菓子作りなど、充実した時間を過ごしていています。
「自分のできること、経験してきたことを、できる範囲で無理なく楽しく、何より健康第一!」これからも頑張ります!

朝の体操

お昼ごはん「ショルパ」

お雛様顔出しパネルで大盛り上がり!

「キッズヨガ」心を落ち着かせようとがんばる子どもたち

チャイの時間。クッキーやパンは持ち寄りです

活動後は趣味を見つけてリフレッシュ、弾き語りの練習をしています