30代で海外デビュー、一教員の大きな挑戦~ベトナム北部、バビの地で感じることとは~

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

30代にして一度も日本を出たことがなかった私。日本の教育現場で様々な課題に直面する中で、自分自身の視野や器の狭さを感じることが多くあった。今後も教員という職を続けていくのなら、「今のままではいけない」「自分自身をもっと成長させたい」という思いが強くなっていった。語学が得意なわけでもなく、社交的な性格とも言えなかったが、教員生活8年目にして初めて日本を飛び出し、開発途上にある国での大きな挑戦がはじまった。

私の任地はベトナムの首都ハノイ市の中心から約60キロ離れたバビ郡にある、トゥイアン障害者リハビリテーションセンターである。当施設には、主にベトナム北部の貧困家庭の障害のある子ども約200人が入所しており、親元を離れて共同生活を送っている。ベトナムでは日本と異なり、障害の程度や種類を問わず、全ての障害のある子どもが学校で教育を受けることが難しく、当施設は障害のある子どもに教育を提供する場としての重要な役割を果たしている。ここでの私の活動は、自閉症スペクトラムの子どもや同僚に特別支援教育に関する支援や指導を行うことだ。住居も施設内にあり、子どもたちと生活の場を共有している。 

任地での活動は、私にとって日々新鮮で、驚きや発見の連続である。しかし同時に、文化や生活習慣の違いなどによる葛藤もある。特に同僚とのコミュニケーションでは、「相手のことばが理解できない」「自分の伝えたいことが伝えられない、伝わらない」ことに苦しむ一方で、コミュニケーションに障害のある子どもの気持ちもよく理解できた。そのような状況下で、実際は自分が支援をするというよりむしろ任地や日本の方々から支援を受けることの方が格段に多いことにも気づかされた。活動を通して日本にいた時には感じられなかった多くのことが感じられただけでも、勇気を出して日本を出て本当によかったと思う。私の大きな挑戦は、今後も多くの方々に支えられ、続いていく。

【写真】

施設は労働・傷病兵・社会省直轄で1976年に設立された。

【写真】

自閉症クラスでは、主に2歳から13歳の子どもが学習している。

【写真】

親元を離れて自立的な共同生活を送る子どもたち。


【写真】

ベトナム伝統衣装のアオザイを着て迎えた「教師の日」。

【写真】

当施設は農村地帯にあり、周辺は長閑な風景が広がる。

【写真】

海外から来たボランティアと任地の方とでベトナム料理作り。


Twitter Facebook はてなブックマーク メール