活動のヒントはおしゃべりの中に

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ホーチミン市に次ぐベトナム南部の第2の観光都市・ティエンザン省ミトー市。メコン川に浮かぶ中洲で、私は観光を推進すべく活動している。

残りの任期が3ヵ月を切った今、これまでの自分の活動を振り返ると、自ら提案した道路修繕やゴミ箱の設置、歩道への植栽の実施など、目に見えていろいろなことが変わったことに気付いた。

毎日バイクで活動地へ足を運び、一軒一軒観光事業者を訪問し、つたないベトナム語で日本のボランティアだと説明して回る日々が続いたが、エアコンが欲しいとかお金が欲しいとか、なかなかボランティアの意義について理解してもらえず、ただただおしゃべりをし、フルーツを食べて過ごすだけの日もあった。

赴任前に描いていた理想と現実とのギャップに打ちひしがれ、何をしに来たんだろうと自問自答しながらも、現地の人たちの貧しいながらも陽気で明るい笑顔に救われ、気がつけば言葉もそれなりに上達し、ボランティアへの理解も少なからず得られ、無駄な時間はなかったと思えるようになった。

そんなある日、一人の日本人観光客の「ゴミをなんとかしなきゃね」という一言からゴミ拾いを始めた。しかし、私一人が拾っても何の解決にもならないので、学校で観光振興に繋がる環境教育をしようと思い立った。教育委員会を訪問し、同意を得て、本当に多くの人の助けを借りながら準備を進め、小中学校での環境教育実施にこぎつけた。

普段からポイ捨てをする習慣のある彼らにとって、なぜポイ捨てをしたらダメなの?と言われるのを覚悟で授業に臨んだが、「ポイ捨てしている人を見つけたら注意する!」「観光客をがっかりさせないように、学校でも月に一回ゴミ拾いの機会を設けてほしい!」など、こちらの想像をいい意味で覆す反応が見られた。

環境教育の最後に、生徒全員でゴミ拾いに出掛けた。汗だくになりながらも、まるで宝探しをするかのように走り回ってゴミを拾う子どもたち。どれだけの印象を与えられたか分からないが、彼らの中に環境保護意識が芽生え、私の存在についても頭の片隅に残っていれば良いなと思う。

残り3ヵ月、原点回帰として、また観光事業者を訪ね歩いてみようと思う。歩く度に名前を呼ばれ、フルーツ片手にハンモックに横になりながらおしゃべりをする。活動のヒントはいつもこのお喋りの中に転がっていた。

たった3ヵ月、されど3ヵ月。ボランティアだからこそできる支援、ボランティアにしかできない支援を続けたい。

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メコン川クルーズで有名な任地

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舗装された道路と設置されたゴミ箱

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学校での環境教育の授業風景


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ゴミ拾いの様子

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お土産物屋さんのお姉さんたちと日本語の勉強

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おしゃべりタイム


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