ボスニアの地酒とペクメズ

Twitter Facebook はてなブックマーク メール

ボスニアに限らず、バルカン諸国で良く飲まれているお酒に、「ラキヤ」というものがあります。いわゆる果実の蒸留酒ですが、ブランデーのようにブドウから作るのみならず、さまざまな果物を使います。

私の住んでいるスレブレニツァでは、多くはリンゴ、梨、プラムを使ってラキヤを作っています。ブドウは、もう少し温暖で乾燥した、地中海のクロアチアに近いヘルツェゴビナ地方で作っています(美味しいワインが飲めます)。ちなみに私の好みは、プラムで作ったものです。

アルコール度数が40~45度くらいあり、中には90度くらいのウオッカのようなものもあるようです。市販のものももちろん買えますが、村の人たちのほとんどが自分たちで作っています。そのためアルコール度数も、好みによって変えることができるようです。

また、人によっては、色々な種類のハーブを加えて風味を出したり、蜂蜜を加えて甘みを付けたりと、特別なレシピで独自のブレンドを作っています。日本でも、焼酎に蛇を漬けたり、梅を漬けたりしますが、同じような感じでしょうか?

アルコール度数は高いですが、スレブレニツァの人はお茶のように気軽に飲みます。私も仕事で農家を回っていると、あいさつ代わりにアラビアコーヒーかラキヤを勧められることがしばしばあります。さすがに仕事中なのでコーヒーをいただくことにはなるのですが。

秋に果物を収穫し、果汁を発酵させ、晩秋、あるいは初冬に蒸留します。その時期には村に行くと、お酒のにおいが立ち込めているところに出会うことも多いです。

一人、何百リットルと作るそうですが、業者やお店に売る人はそれほど多くありません。自分で飲むのもそれほど多くなく、ほとんどの人は、ご近所に配ったり、お客さんに出したり、お土産であげたりと、日本と同じく「贈答文化」が根付いているようです。

また、ボシュニアックと呼ばれるイスラム教徒の人はお酒を飲みませんので、同じ果実から「ペクメズ」と呼ばれる果汁を煮詰めたシロップのようなものを作ります。果汁10リットルからペクメズが1リットルくらいしか作れないとのことで、数日かけての大変な作業で作るようです。

ペクメズは蜂蜜同様、人気があり、地元でも売れ行きの良い商品ですので、農家の現金収入の一つとなっています。もちろん、ラキヤ同様、お土産にすることも多いようです。色々な果実を使って作るのもラキヤと同じですが、私は、口当たりも良く酸味の強いリンゴで作ったものが好きです。パンにつけて食べたり、スムージーに入れたり、ケーキに混ぜて焼いたりしています。

皆さんも当地にお越しの際にはぜひともお試しあれ!

【写真】

各家庭にある蒸留装置

【写真】

蒸留が終わったところ

【写真】

出来上がった「ラキヤ」


【写真】

イスラム教徒が作る「ペクメズ」

【写真】

休日に立ち寄った農家で勧められ、ラキヤで乾杯

Twitter Facebook はてなブックマーク メール