変えるもの・変えないもの

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トルコと聞いて何を思い浮かべるだろうか。

シルクロード、世界三大料理、イスラム教、オスマン帝国、エルトゥールル号救助、のびるアイス、最近では相次ぐテロも…。他に何かあるかと聞かれると、日本人である我々にとって、意外と情報が少ないのではないだろうか。

トルコを発展途上の国だと思って来ると、近代化された便利なシステムに驚かされる。

例えば、首都アンカラの場合、公共のバスや地下鉄は共通の電子カードで乗れる。ただし、民間のバスと乗り降り自由で便利な乗り合いバスは現金。バスに乗る際、スマホにバス停の番号を入れると、何分後にバスが来るのか正確に分かる。そのためか、老人でも器用にスマホを使いこなしている。買い物も銀行引き落としのカードをみんな持っていて、日本より格段にマネーレスが進んでいる。

その一方で、トルコの人たちは太古の昔から続いている価値観をとても大事にしている。その部分は絶対に変えない。

トルコに住んで感じたことは、人々がとても温かい。私が勤める中小企業支援の政府組織の職場でも、町でも、この国の人たちの「おおらかさ」と「鷹揚(おうよう)さ」を感じる。

この温かさの根拠となる、トルコの人たちが持つ共通の価値観に、yardımseverlik (人助けの好きな、博愛の)と misafirperverlik (外来者を好意をもって受け入れる) がある。トルコの人たちに、「トルコの生活はどうだ?」と印象を聞かれることがよくある。その時に、「トルコの人たちはこの二つの特徴があるから好きだ!」と言うと、とても喜ばれる。

彼らは家族と友人をとても大切にする。子どもの学校の休みの時期になると、職場に子どもを連れて来る人が大勢いる。職場の人たちはその状況について文句も言わないし、一緒に受け入れている。「仕事の邪魔になるから連れてくるな!」などと言う人は一人もいない。

また、自分のオフィスへの来訪者をとても大切にする。

職場の各部屋(一般職員は3~4人部屋、広さ約20平方メートル)には、仕事用の机・椅子の他に、来客3~4人が座れる椅子と、チャイ(トルコ紅茶:煮詰めた紅茶をお湯で薄める)を置くサイドテーブルが必ずある。

勤務中、他の部屋を訪問すると必ず、「チャイを一緒に飲まないか?」と誘われる。ちょっとした質問をしに行ったのに、自分の部屋に戻ったのは2時間後なんてざらである。勤務時間中、そこら中でチャイブレイクが行われている。そのため、チャイを作って持って来る専門職員が常駐している。

長い歴史の中で培ってきた絶対変えない核の部分である価値観を大切にするトルコ。合理化、カイゼンと便利さを追求してきた我々日本人が忘れてしまっている何か大事なものが、ここトルコにはあるように思う。

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職場の同僚たちとチャイブレイク

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チャイルームのArkadaşlar(仲間たち)

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人事部職員教育課の同僚たち


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土日協会で日本語学習している上級クラスの生徒たちと。トルコと日本文化・習慣・歴史などを日本語で話す練習会後

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