災害・地震に対する備え-日本とトルコの“共同”プロジェクト

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治安が良く安全とされる日本ですが、自然災害大国でもあり、特に地震の経験値が高いことで知られています。トルコも地震頻発国で、イスタンブールを含むマルマラ地方は、地震・津波のリスクが高い場所です。私は、トルコのマルマラ地域における地震・津波防災および、防災教育プロジェクトに関わっています。

トルコと日本は、エルトゥールル号救助(1890年)、イラン・イラク戦争時の日本人救出(1985年)、トルコ北西部地震 (1999年)、東日本大震災(2011年)の際の相互協力が有名です。義理人情は、日本の専売特許のように思われがちですが、トルコも義理人情に厚いのみならず、動物愛好家が多く、街中でも職場でも、食べ物や水の世話を受けた野良の犬猫が伸び伸びと生活しています。

地震の研究分野では、両国は共同研究、研究者交流、留学生受入れなどを通じて、半世紀以上にわたって交流関係を築いてきています。トルコ研究者には日本の大学で学位を取られた方がいますし、日本語を流暢に話される方もいます。

プロジェクトは2カ国の共同研究のため、双方の文化と考え方を尊重した上で活動を進めることに気をつけています。例えば、活動計画を立てる際に、日本式にずいぶん前から細かな点まで考慮して計画・準備できるのか、トルコ式に大体のことは決めるけれど直前に詳細が決まりだすのか、状況を見つつ臨機応変に進めています。一カ月前を「直前」ととるか、「余裕のある事前」とするかも、考えの違いです。

プロジェクトの核、ボアジチ大学のカンディリ観測所は、オスマン帝国時代の1868年に天文観測所としてスタートし、現在では、トルコ全土の地震観測所の権威として名を知られ、ボスポラス海峡を挟んだアジア側の丘の上に位置しています。トルコ全土の200以上の地震観測点からデータが集まり、24時間体制でモニターしています。地震が起きると震源や規模を解析して、政府やメディアへ連絡します。スマホのアプリからの情報発信もしています。プロジェクトを通して、日本の最先端の海底観測技術の習得も進みました。

観測所には、防災教育センターも併設されていて、毎週水曜日に子どもたちが訪れます。地震とは何か、災害時に落ち着いた行動がとれるようにどのような準備をしておく必要があるのかを子どもたちに伝えています。

協力して進めている研究もそうですが、人のつながりを通して、災害への備えをより確固としたものにし、友好関係の深いトルコと日本が引き続き共に進んでいけるよう願っています。



(関連リンク)

マルマラ地域における地震津波防災および防災教育プロジェクト

プロジェクト詳細概要-4つの研究グループとそれぞれの研究内容-

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マルマラ海とイスタンブール

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キャンパス内で伸び伸びしているワンちゃんたち

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地震観測網モニター


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キャンパス内の四季

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海底地震計 15台を水深500~1200㍍の海底へ沈めます

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防災教育センターを訪れる子どもたち


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