教育支援の現場から。参加型・協力型アクティビティの実践

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教育支援団体での活動で約一年半が経過した。

教育格差は、公立校、私立校など教育施設のくくりのみに依存しないことがわかってきた。生活レベルの格差同様、学費や教育レベルの格差は、地域や所在地にも依存するようだ。その家庭の主な収入源や学費などの必要経費がEGP(エジプトポンド)かUSD(米ドル)かで生じる格差もある。

言語習得においても教育格差を感じることがある。例えば、日常生活で会う地元の人々が母国語であるアラビア語の識字もままならない人もいれば、英語のみならず他の言語も流暢に話す人もいる。

私の派遣先には公立校の教科書が配布される。英語教育では、学年全体への授業とは別にビギナー向け指導が欠かせない。年齢と学年が合わない子、指導対象が大人であることもしばしばである。

エジプトには、指導言語にアラビア語か英語かを選択できる学校がある。教科書も一律ではなく、公立校の教科書と比較し、物語や応用問題を多く含むテキストを併用する学校もある。

学校は、5月に期末試験が終わり9月に新学期が始まる。一方、私の派遣先は期末試験時期を過ぎても施設を開放し続ける。教育に触れる機会の提供を促す施設長の強い思いが伺える。

今年はこの時期に、子どもたちの「共に」を触発する試みを推進した。アクティビティ時間を固定化できたこともそれを後押しした。

派遣先で比較的容易に入手可能なダンボールや紙を使ったアクティビティ。2017年は6月がイスラム教のラマダーン時期に該当し、切り絵のファヌース(ラマダーン(注1)期間中のランプの装飾)を作る試みが大きな共同制作につながった。

日常的に身近な小麦粉から粘土を作り、自由な発想で海の生物を作るクラフト製作。子どもたちの個性が光る美しい海が出来上がった。

協力という視点では、外部に目を向ける参加型アクティビティを推進した。

他の国に目を向ける、国旗を描く試み。
世界平和を考える、「What's Your Peace」(注2)への参加。
私以外の外国人に触れる試み、外部所属者とのコラボ活動。
同年代の子どもたちに触れる試み、他校の子どもたちとのコラボ活動。
地元の別地域の人々に触れる試み、地元の学生とのコラボ活動。

「参加」は子どもたちの生き生きした表情を引き出し、「もっと」を触発する。継続性への期待が高まる。残り半年弱、「現地の人々主体」を念頭に、参加型・協力型アクティビティの日常化を目指す。

(注1)断食月
(注2)「あなたにとって平和って何ですか」という質問の答えを紙に書いてもらい、それを持った写真を撮影する長崎の若者が始めた平和プロジェクトに各国で活動するJICAボランティアが参加。



(関連リンク)

教育支援の現場から。参加型・協力型アクティビティへの試み(土棟 亜也子(青年海外協力隊、北海道出身)2017年5月26日掲載)

JICAボランティアの世界日記:中東「共同制作」(土棟 亜也子)

JICAボランティアの世界日記:中東「ラマダーン」(土棟 亜也子)

エジプト・アラブ共和国:アフリカ教育情報 - アフリカ理解プロジェクト(外部リンク)新しいウインドウで開きます

エジプト - 諸外国・地域の学校情報(国・地域の詳細情報):平成27年12月更新情報(外部リンク(外務省サイト))新しいウインドウで開きます

各国における取り組み エジプト

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一つの花は花びら8枚。写真は自分の分プラス1枚で作った共同花

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配属先の部屋を飾った、子どもたちの手によるファヌース

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小麦粉粘土と食紅で作った、子どもたちの手による海の生物たち


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海外の国々に目を向ける試み、国旗のペイント

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配属先で働く人々も参加した「平和とは」へのメッセージ

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運動アクティビティのチーム対抗、当該日のテーマはボール遊び


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